WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.263
ホレス・シルヴァー『フィンガー・ポッピン』(1959)
ホレス・シルヴァー(p)
ブルー・ミッチェル(tp)
ジュニア・クック(ts)
ジーン・テイラー(b)
ルイス・ヘイズ(ds)
1959年1月31日録音
曲目:
01.フィンガー・ポッピン
02.ジューシー・ルーシー
03.スインギン・ザ・サンバ
04.スイート・スタッフ
05.クッキン・アット・ザ・コンチネンタル
06.カム・オン・ホーム
07.ユー・ハプンド・マイ・ウェイ
08.メロー・D
【アルバム紹介】
1.ピアニスト、ホレス・シルヴァーのブルーノートでのリーダー作
2.フロント2管がブルー・ミッチェル、ジュニア・クックでの初のアルバム
3.楽曲はすべてホレス・シルヴァーのオリジナル
クインテット編成の名盤、今回はピアニスト、ホレス・シルヴァーのブルーノート・レーベルでのリーダー・アルバムを取り上げます。
ホレス・シルヴァーは元々ドラムスのアート・ブレイキーとザ・ジャズ・メッセンジャーズを結成し、ファンキーなハードバップ・クインテットの王道を行っていましたが、1956年にザ・ジャズ・メッセンジャーズを脱退してからは自身のクインテットを率いて活躍しました。最初の頃はメンバーが流動的でしたが、本作からはほぼ固定の顔ぶれとなり、ブルーノート・レーベルで傑作を生みだしてゆきました。
メンバーはトランペットにブルー・ミッチェル、テナー・サックスにジュニア・クック、ベースにジーン・テイラー、ドラムスにルイス・ヘイズとなっており、フロント2管がミッチェル=クックになっての初めてのアルバムが本作です。
楽曲はすべてシルヴァーのオリジナルで、快速なスイング・チューンあり、サンバあり、バラードありとバラエティに富んだナンバーがそろっています。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ミディアム・ファンキーな“ジューシー・ルーシー”。
ホレス・シルヴァーは数々のジャズ名曲を世に送り出しており、コンポーザーとしても並みならぬ才能を持ったピアニストでした。本作には超有名曲は入っていませんが、シルヴァーの持つファンキーなフィーリングを感じさせるこの曲をお勧めします。
“ジューシー・ルーシー”とは肉の中にチーズが入っているハンバーガーのことのようですが、そんんなことを思い浮かべて聴くとちょっと美味しい雰囲気が伝わってくるような気がいたします。
曲はピアノの短いイントロから始まります。そしてトランペット、テナー・サックスのユニゾンによってテーマ・メロディが提示されます。中間部は高らかに突き抜けたフレーズが印象に残ります。テーマ提示後はまずはピアノのソロになり、そのあと、トランペット、サックスとソロが続きます。やがてテーマに回帰しますが、冒頭で演奏した形とはアレンジを少し変えて聴かせ、中間部を経てそのまま、エンディングへと向かいます。
ディスコグラフィー上では、この次はホレス・シルヴァー・クインテットとしては名作と呼ばれるアルバム『ブローイン・ザ・ブルース・アウェイ』のレコ―ディングに入る時期でもあり、本作はそんな前段階の充実期をとらえた一枚といえそうです。
国内盤SHM-CD
タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2024年02月09日 10:00