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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.275

ポール・デスモンド『テイク・テン』(1963)

PD

ポール・デスモンド(as)
ジム・ホール(g)
ユージン・ライト(b)on Track1
ジーン・チェリコ(b)on Track2~8
コニー・ケイ(ds)

1963年6月5日、10日、12日、14日、25日ニューヨークにて録音

曲目(LP初発売時):
01.テイク・テン
02.エル・プリンス
03.アローン・トゥゲザー
04.エンバルカデーロ
05.黒いオルフェ
06.ナンシー
07.オルフェのサンバ
08.ジ・ワン・アイ・ラヴ

【アルバム紹介】
1.名アルト・サックス奏者ポール・デスモンドの1963年のリーダー作
2.ソフトなトーンでなめらかなフレージング、ライト感覚あふれるプレイが人気の秘密
3.名曲“テイク・ファイヴ”の続編“テイク・テン”収録

今回は先週取り上げたデイヴ・ブルーベック・カルテットのフロントマンで知られたアルト・サックスのポール・デスモンドの1963年のリーダー・アルバムです。

1924年サンフランシスコ生まれのポール・デスモンドにとって2024年は生誕100年にあたる記念年です。
ポール・デスモンドのアルト・サックスはソフトなトーンでなめらかなフレージングが特徴で、ライト感覚あふれるプレイがその人気の秘密です。そんな特徴が本作でも存分に聴けます。

本作はポール・デスモンドがデイヴ・ブルーベック・カルテット在籍中にリリースされたRCAレコードからの一作で、ギターに名手ジム・ホールが加わったワン・ホーン・カルテットで聴かせる逸品です。ベースにはブルーベック・カルテットのメンバーであるユージン(ジーン)・ライトが1曲目だけ参加し、あとはジーン・チェリコが担当、ドラムスにはモダン・ジャズ・カルテットのコニー・ケイが加わっています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
名曲“テイク・ファイヴ”の続編“テイク・テン”。

ポール・デスモンドは作曲面でいえば、デイヴ・ブルーベック・カルテット時代に“テイク・ファイヴ”を作曲し、大ヒットを飛ばしたことでもよく知られていますが、この曲はその続編ともいう1曲で、“テイク・ファイヴ”が5拍子ならこちらは倍の10拍子で、というものです(実際には同じ5拍子と考えてもよいですが)。
楽曲の構造自体は“テイク・ファイヴ”と瓜ふたつで、また演奏の時間も3分少し程度となっており、ある意味ラジオのオンエアを意識したレコーディングだったのかもしれません。ベースもこの曲だけブルーベック・カルテットのユージン・ライトが参加している点も見逃せません。
曲はまずドラムスによる独特の変拍子リズムを提示し、そこにギターとベースが乗ってくると、ソフトで軽やかな音色のポール・デスモンドのアルト・サックスがテーマを取り始めます。和音楽器がピアノからギターに変わってはいるものの、雰囲気は何から何まで“テイク・ファイヴ”そっくりですが、そこがまたいい味を出している部分です。この曲の演奏は非常に短いこともありますが、ソロらしいソロはなく、終始淡々とした演奏に終始しています。
本作は印象的な“テイク・テン”を1曲目に置いていますが、その内容の他の特徴としてはボッサ・チューンを取り上げている点も注目に値します。有名な“黒いオルフェ”など、ポール・デスモンドのクールなアルト・サックスが存分に生かされた演奏になっています。最後に本作のポイントをもう一つだけ、申し上げるとするとこのジャケットになりますでしょうか。このポール・デスモンドの肖像画はアンディ・ウォーホルの手によるものです。

国内盤Blu-spec CD2

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2024年05月10日 10:00