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WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.281

レイ・ブライアント『コン・アルマ』(1961)

RB

レイ・ブライアント(p)
アーサー・ハーパー(b) on track 2
ビル・リー(b)
ミッキー・ローカー(ds)

1960 年11月25日、1961年1月26日録音

曲目:
01.コン・アルマ
02.マイルストーンズ
03.イル・ウインド
04.ナッツ・アンド・ボルツ
05.クバノ・チャント
06.ラウンド・ミッドナイト
07.枯葉
08.Cジャム・ブルース

【アルバム紹介】
1.ブルージーなフィーリングがありつつ、どこかジェントリーな気品に満ちたピアノ
2.楽曲はガレスピー、マイルス、モンク等バラエティに富んだ選曲
3.ベースのビル・リーは映画監督のスパイク・リーの実父

今回取り上げるピアニスト、レイ・ブライアントは、ブルージーなフィーリングを持ちながらもどこかジェントリーな気品に満ちたピアノを聴かせるスタイルが特徴です。

1931年にフィラデルフィアに生まれ、6歳か7歳の頃にピアノに目覚め、持ち味のゴスペル・フィーリングはそんな時期に通った教会の影響だと言われています。その後10代の早い時期にジャズに目覚め、14歳頃にはプロとしての活動を始めました。50年代に入ると。数々のジャズ・ジャイアンツと共演、マイルス・デイヴィスやソニー・ロリンズともレコーディングをしています。60年代になる前に活動の拠点を本格的にニューヨークに移し、やがて自身のトリオを組み、コロムビア・レコードと契約しています。本作はそんな時期にレコーディングされた1枚です。

楽曲は作曲が、ディジー・ガレスピー(1)、マイルス・デイヴィス(2)、セロニアス・モンク(6)、デューク・エリントン(8)に加えスタンダード(3、7)、そして自身のオリジナル(4、5)、となっており、バラエティに富んだ曲目になっています。
メンバーはベースに関しては2曲目だけはアーサー・ハーパーが入り、それ以外はビル・リーで、この人は有名な映画監督のスパイク・リーの実父にあたります。ドラムスには名手のミッキー・ローカーが参加しています。

【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
ディジー・ガレスピーの名曲“コン・アルマ”。

この曲はトランペット・レジェンドのディジー・ガレスピーのオリジナル・ナンバーで1954年にノーグラン・レーベルからリリースされたアルバム『アフロ』に収録されたのが世に出た最初でした。ガレスピーのこの最初のバージョンはハッキリとしたラテン調のリズムで演奏されていますが、本作での演奏はラテンのフィーリングを感じさせる独特なリズムが特徴になっています。
演奏は短いイントロの後、ベース音が下降音階をたどる印象的なテーマ・メロディに移ってゆきます。そのあとの展開はピアノ・ソロというよりはクラシックで言う変奏曲のような進行になります。レイ・ブライアントの多彩なアプローチを存分に楽しみながら聴き進みます。やがていつの間にかテーマへと回帰し、エンディングへと移行して曲を終えます。7分近い、聴きごたえのある演奏です。
レイ・ブライアントは日本では非常に人気が高かったピアニストで、90年代に60歳のバースデイを記念したレコーディングとして、ファンからリクエストを募って制作された2枚のスタンダード・アルバムがありました。そこでも持ち味のクリアで濁りのないタッチが生かされた演奏で、2枚のうち1枚はスイング・ジャーナル誌のゴールド・ディスクに選定されました。今となっては懐かしい話です。

国内盤Blu-spec CD2

タグ : WEEKEND JAZZ

掲載: 2024年06月21日 10:00