Naxos~2024年8月第1回発売新譜情報(4タイトル)
今回はイタリアの後期ロマン派の作曲家、フランケッティとヴォルフ=フェラーリの交響曲に、スペクトラム・コンサーツ・ベルリンの演奏によるタネーエフのヴァイオリン・ソナタとピアノ五重奏曲、イディル・ビレットのシューベルト作品集と1961年から2018年までのアーカイヴ録音からワルツと舞曲を集めたアルバムのCD4タイトルがリリースされます。
フランケッティ:交響曲、交響的印象「黒き森にて」/ヴォルフ=フェラーリ:室内交響曲
フランチェスコ・ラ・ヴェッキア(指揮)ローマ交響楽団、ミンアンサンブル
イタリアの後期ロマン派の作曲家、アルベルト・フランケッティとエルマンノ・ヴォルフ=フェラーリ。両者とも優れた歌劇を遺しましたが、生粋のイタリア人でなかったことも共通点として挙げられます。
イタリア貴族の父とウィーン出身の母の下に生まれたフランケッティは何不自由ない少年時代を送り、ヴェネツィアとドイツで学びました。このアルバムに収録された交響曲ホ短調は、ドレスデン音楽院の卒業試験の一環として書かれた曲。ドイツ伝統の形式に則った荘厳かつ色彩豊かなオーケストラの音色を駆使した作品です。40歳の時の交響的印象「黒き森にて」はライン渓谷の森と自然の美しさからインスピレーションを得た描写的な曲。角笛の響きを思わせる冒頭に始まり、全編穏やかな曲調で書かれています。
ドイツ人の画家の父とイタリア人の母を持つヴォルフ=フェラーリは《マドンナの宝石》や《スザンナの秘密》などの歌劇が知られています。この室内交響曲は彼が長年過ごしたドイツで作曲されたもので、小ぶりな編成から生まれる透明感溢れる響きが魅力的。ピアノを交えた各々の奏者の技巧が際立つ美しい作品です。
(ナクソス・ジャパン)
セルゲイ・タネーエフ(1856-1915):ヴァイオリン・ソナタ イ短調、ピアノ五重奏曲 ト短調
スペクトラム・コンサーツ・ベルリン、フランク S.・ダッジ(芸術監督)
作曲家としても教育者としても賞賛されていたロシアの作曲家タネーエフ。民族主義的な傾向ではなく、見事な対位法を駆使するなど、ヨーロッパ古典派の作曲技法を完璧にマスターしたその作品、とりわけ室内楽作品は同時代のウィーンの巨匠たちのものと同等にみなされるほどに絶賛されました。
しかしタネーエフ自身が作品の出版に無頓着だったためか、残された作品が少なく、亡くなった後これらはほとんど演奏される機会を失ってしまいました。このアルバムに収録された2つの作品のうち、ヴァイオリン・ソナタは美しい旋律線を持つベートーヴェンを思わせる古典的な作品。第3楽章にメヌエットがおかれているところも優雅な雰囲気を醸し出します。それに対しピアノ五重奏曲は壮大なスケールと華やかな曲想に満ちた作品。技巧的なピアノ・パートは優れたピアニストであったタネーエフならではの聴きどころです。エルダー・ネボルシンをメンバーとするスペクトラム・コンサーツ・ベルリンは19~20世紀を中心とした知られざる室内楽作品の演奏に力を入れるアンサンブル。曲の編成に柔軟に対応し見事な演奏を聴かせます。
(ナクソス・ジャパン)
NAXOS Idil Biret Solo Edition
イディル・ビレット/ソロ・エディション 第13集 - シューベルト:ピアノ・ソナタ第13番、幻想曲「さすらい人」他
イディル・ビレット(ピアノ)
1941年生まれのトルコの名ピアニスト、ビレットは16歳でデビュー、以降半世紀以上に渡ってその技巧と音楽性で聴衆を魅了しています。このアルバムは2016年に収録されたシューベルトの作品集。比較的小規模ながらも、第2楽章での長調と短調の交錯や、モーツァルトを思わせる第3楽章といったシューベルトらしい優雅な第13番のソナタと、幻想曲「さすらい人」をメインに置き、未完のソナタヘ短調と即興曲を組み合わせた聴きごたえのある1枚です。
(ナクソス・ジャパン)
NAXOS Idil Biret Archive
イディル・ビレット/アーカイヴ・エディション 第21集 - ワルツと舞曲集
イディル・ビレット(ピアノ)
1941年生まれのトルコの名ピアニスト、ビレットは16歳でデビュー、以降半世紀以上に渡ってその技巧と音楽性で聴衆を魅了しています。彼女はゴドフスキーらによる数多くのワルツのピアノ編曲版を録音したいと考えて、まずは1970年代に好んで演奏した「芸術家の生涯」から始める予定でした。ところが2021年に彼女は病を得たため、同時に進行していたハイドンのソナタの録音とともに、ワルツのプロジェクトも中止となったのです。しかし、1975年に演奏した「芸術家の生涯」の名演がインターネット上で評判となったことを受け、1961年から2018年までの過去の様々な録音からワルツと舞曲を選び、このアルバムが制作されました。難度の高い技巧が駆使された華やかな作品が並ぶ、ビレットならではの1枚です。
(ナクソス・ジャパン)
2024年7月第2回発売タイトルはこちら>>>
2024年7月第1回発売タイトルはこちら>>>
2024年6月第2回発売タイトルはこちら>>>
2024年6月第1回発売タイトルはこちら>>>
2024年5月第2回発売タイトルはこちら>>>
2024年5月第1回発売タイトルはこちら>>>
2024年4月第2回発売タイトルはこちら>>>
2024年4月第1回発売タイトルはこちら>>>
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2024年07月03日 00:00