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Naxos~2024年8月第2回発売新譜情報(7タイトル)

ユージン・ザードル

今回はハリウッド・サウンドの発展に寄与したザードルの協奏的作品を中心としたアルバムに、アメリカ近現代のオルガン協奏曲集をグラミー賞受賞アーティストのコンビで収録した1枚、アフリカ系アメリカ人作曲家ジョージ・ウォーカーのピアノ作品集第2集、現代中国の作曲家チン・ウェンチャンの作品集など世界初録音を含むCD7タイトルがリリースされます。

一部世界初録音
ユージン・ザードル(1894-1977):アコーディオン協奏曲、金管楽器のための組曲、ピアノ五重奏曲 他
マリウシュ・スモリー(指揮)ブダペスト交響楽団

ハリウッド・サウンドの発展に寄与したザードルの協奏的作品を中心としたアルバム。ザードルはハンガリー生まれで、ウィーンとライプツィヒで学び、1939年に渡米。ハリウッドでミクローシュ・ローザの映画音楽のオーケストレーションを担当して壮麗なハリウッド・サウンドの発展に貢献しました。主役(ソロ)を演じることの少ない楽器のための作品作りにやりがいを感じていたというザードルらしさが現れたのがアコーディオン協奏曲。著名なアコーディオン奏者アントニー・ガラ=リニのために書かれたもので、終楽章にはザードルの故郷ハンガリーの旋律が用いられた快活な作品です。金管楽器のための組曲は、ホルン4本、トランペット4本、トロンボーン3本、テューバ1本という編成で書かれ、ザードルが得意とした映画音楽を思わせる華麗な作品。他には当アルバムの指揮者、スモリーが弦楽伴奏版に編曲した4作品が収録されており(いずれも世界初録音)、特に渡米前の作品でハンガリー国家賞に輝いた「ピアノ五重奏曲」が聴きごたえあります。
(ナクソス・ジャパン)

アメリカのオルガン協奏曲集
ポール・ジェイコブス(オルガン)、ジャンカルロ・ゲレーロ(指揮)ナッシュヴィル交響楽団

アメリカ近現代の作曲家によるオルガン協奏曲を、グラミー賞受賞アーティストのコンビで収録したアルバム。冒頭のホレイショ・パーカーは チャールズ・アイヴズの師で、ミュンヘンに留学しヨーゼフ・ラインベルガーに師事した作曲家。その作風はドイツの伝統を継承しており、このオルガン協奏曲もメンデルスゾーンやブラームスを思わせる重厚な雰囲気を持っています。続くオーキンの「レジリエンス」は、スペース・ファンタジー映画が似合いそうなスペクタクルな音楽。協奏曲という形式を好んだラウズのオルガン協奏曲は、ポール・ジェイコブスに捧げられたもので、古典的な急-緩-急の楽章形式で書かれています。最後に収められているのは、アイヴズのオルガン・ソロ作品。曲名は「アメリカ変奏曲」ですが、英国国歌「ゴッド・セイヴ・ザ・キング」を主題としています。アイヴズ自身の教会での演奏経験を活かしたオルガン特有の効果や技巧が盛り込まれています。
(ナクソス・ジャパン)

ジョージ・ウォーカー(1922-2018):ピアノ作品全集 第2集 - リーヴィング、ピアノ・ソナタ第4番、第5番 他
アレクサンダー・ドッシン(ピアノ)

1996年に「ライラック」でピューリッツァー賞を受賞したアフリカ系アメリカ人作曲家ジョージ・ウォーカー。このアルバムは第1集(8.559916)と合わせてウォーカーのピアノ作品全集となります。ピアノ協奏曲は古典的な形式の中にさりげなくデューク・エリントンの旋律が採り入れた作品。「グイドの手」はソルフェージュの原形を考え出したグイド・ダレッツォにちなんだタイトルですが、この曲にもエリントンの影響が感じられます。冒頭の「リーヴィング(去り行く、の意)」はピアノ協奏曲のアンコールとしてドッシンがピアノ独奏用に編曲したもの。
(ナクソス・ジャパン)

イースト・ミーツ・ウエスト - クルーズ、パール:ギター作品集
ロバート・トレント(ギター)

アメリカ現代作曲家2名によるギター作品集。クルーズの「幻想的大ソナタ」は『アッシャー家の崩壊』でポーが醸し出す不気味な雰囲気を表現しています。「わたしの名は紅」は東西文明が交錯する都市イスタンブールを舞台に細密画師たちの苦悩と葛藤を描いた小説に触発された作品で、イスラム文化を想像させるサウンドが使われています。「Four at III」の正式なタイトルは「第3フレットにカポタストを付け、第6弦を徐々に再チューニングしながら演奏する4つの楽章」で、ギターの音色の変化を楽しむことができます。他にアンデルセンの名作「マッチ売りの少女」を表現した作品や、ユダヤ教の安息日で歌われる「Dror Yikro」のギター版を収録。演奏者のロバート・トレントはラドフォード大学の音楽科で教授を務めながら多彩な演奏活動を繰り広げている演奏家で、冒頭の「即興曲」はトレントのために作曲されたアンコール的な小品です。
(ナクソス・ジャパン)

チン・ウェンチャン(1966-):雲の川、神々の光、音を探して
チェン・ヤン(笙)、ソン・シンシン(箏)、ゴットフリート・ラブル(指揮)ウィーン放送交響楽団

モンゴル生まれのチン・ウェンチャン(秦文琛)の近作の管弦楽曲を収めたアルバム。彼の作品は文学、神話、自然からインスピレーションを受けており、当アルバムの最初と最後の曲では、中国の伝統楽器特有のサウンドを活かしつつ、民族的要素に頼らず、西欧現代音楽の語法の中に取り込んでいるのが印象的です。笙と管弦楽のための協奏曲「雲の川」は空を漂う雲をモチーフにした作品。長く引き延ばされた笙のサウンドが神秘的な雰囲気を醸しています。「神々の光」は中国の現代詩人海子(Hai Zi) の俳句「チベット」に基づく作品で、詩人が描いた瞑想的な世界を音楽で表しています。管弦楽のための組曲「音を探して」は古代中国における音楽の創始者「伶倫」の伝説による曲。数万里を旅してついに聖地の崑崙山にたどり着いた伶倫が、自然の力を借りて楽器や音階を生み出したというエピソードがもとになっています。「大地の詩」は笙と箏が主役を務める作品です。
(ナクソス・ジャパン)

エーリヒ・J・ヴォルフ(1874-1913):歌曲全集 第2集
イダ・アルドリアン(メゾ・ソプラノ)、クラウス・ジモン(ピアノ)

エーリヒ・ジャック・ヴォルフはウィーンで生まれたユダヤ人作曲家。シェーンベルクやツェムリンスキーと親交を結び、38歳の若さで亡くなるまでに書いた歌曲は少なくとも168曲、全て存命中に発表されて高く評価されましたが、現在では演奏の機会はほとんどありません。このアルバムに収録されたのは、彼の人生最後の10年間に作曲されたもの。明るく魅力的な子供向けの連作歌曲「リヒャルト・デーメルの4つの子供の歌」や、陰鬱な「墓地の歌」など多彩な作品を聴くことができます。それらは時折大胆な和声進行があるものの、無調に踏み込むことはなく、ロマンティックな味わいを留めています。ピアノ・パートは高度な技法で書かれ、歌を引き立てながらも強い存在感を発揮しています。オーストリア出身のメゾ・ソプラノ、イダ・アルドリアンの歌唱に、今作でもブックレットに詳細な解説(ドイツ語・英語)を寄せるクラウス・ジモンが巧みな伴奏を付けています。
(ナクソス・ジャパン)

世界初録音
スピリドン・サマラス(1861-1917):歌劇《ティグラ》、エピニケイア、キタッラータ
バイロン・フィデツィス(指揮)ソフィア・アマデウス管弦楽団、ほか

オリンピック賛歌の作曲家サマラスによる軽妙なイタリア語オペラが復活。歌劇《ティグラ》はイタリア語のテキストによる1幕ものの作品で、当CDでの演奏時間は56分余り。中世のヴェネツィアを舞台にしたラヴ・ストーリーを、20世紀初頭のイタリア・オペラのスタイルによるサウンドに乗せて綴っています。当盤の指揮者フィデツィスがオーケストラ・パートを再構成して、本格的な上演が可能になりました。西欧をモデルとしたギリシャ音楽近代化の過程をたどる上で貴重且つ興味深い作品です。連作歌曲「エピニケイア(勝利の歌)」は華麗かつ重厚な管弦楽パートを持つ堂々たる作品。歌唱にも力強さが求められます。パリで作曲して母親に捧げた「キタッラータ(ギター)」は3分半ほどの小品で、複数のギターやマンドリンを含む個性的なサウンドと、華やぎも郷愁も感じさせる魅力的な作品です。
(ナクソス・ジャパン)

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カテゴリ : ニューリリース

掲載: 2024年07月22日 00:00