WEEKEND JAZZ ~週末ジャズ名盤探訪 Vol.295
リー・モーガン『リー・モーガン Vol.2』(1957)
リー・モーガン(tp)
ケニー・ロジャース(as)
ハンク・モブレー(ts)
ホレス・シルヴァー(p)
ポール・チェンバース(b)
チャーリー・パーシップ(ds)
1956年12月2日、ニュージャージーにて録音
曲目:
01.ウィスパー・ノット
02.ラテン・ハングオーヴァー
03.ヒズ・シスター
04.スライトリー・ヘップ
05.ホエア・アム・アイ
06.Dズ・フィンク
【アルバム紹介】
1.名トランペッター、リー・モーガンのブルーノート・レーベル2作目
2.ベニー・ゴルソンの作編曲の妙が堪能できる
3.編成はセクステットでハンク・モブレー、ホレス・シルヴァーらが参加
今週もトランペット名盤を取り上げます。ブルーノート・レーベルの看板プレイヤーでもあった名トランペッター、リー・モーガンの1956年録音の傑作です。
本作はリー・モーガンにとっては3枚目のリーダー作で、ブルーノート・レーベルではこの一か月前の録音にあたる『リー・モーガン・インディード』が最初のアルバムで、その次ということで、タイトルに『Vol.2』がつけられていますが、『リー・モーガン・セクステット』というタイトルでも知られています。
作曲のクレジットには、先日亡くなった名テナー・サックス奏者のベニー・ゴルソンの名があり、アレンジャーにはオーウェン・マーシャルとなっていますが、3曲目と6曲目は作曲がマーシャルで、アレンジがゴルソンとなっています。ベニー・ゴルソンは作曲家としての才能に長けたことで知られている通り、多くの名曲を世に送りだしていますが、本作でも1曲目にゴルソン名曲の“ウィスパー・ノット”の初演が収録されており、あと4曲目の“スライトリー・ヘップ”は、有名な“ファイヴ・スポット・アフター・ダーク”の元ネタ的な1曲なのが分かります。
メンバーはセクステット=6重奏団となっており、リー・モーガンの他、テナー・サックスには、モーガンと同じくブルーノート・レーベルの看板プレイヤーの一人であるハンク・モブレー、アルト・サックスはケニー・ロジャース、ピアノにはブルーノート・レーベルきってのファンキー・ピアニスト、ホレス・シルヴァー、ベースには名手ポール・チェンバース、そしてドラマーにはチャーリー・パーシップという顔ぶれになっており、聴きごたえ十分です。
【スタッフのつぶやき:この1曲を必ず聴いて下さい】
やっぱり名曲“ウィスパー・ノット”。
数々の名曲を世に送り出しているベニー・ゴルソンのよく知られた1曲であり、多くのジャズ・ミュージシャンによって演奏されていることで、スタンダード曲としてもお馴染みになっているナンバーです。
哀愁のあるメロディ・ラインが特徴ですが、短いイントロに導かれてリー・モーガンがテーマ・メロディを提示してゆきます。しっかりとアレンジが施されたバックの演奏も見事で、テーマの提示が終わった後にリー・モーガンのソロに移りますが、ミュートをつけたプレイを披露し、情感豊かにソロを聴かせます。トランペットのソロが終わると、ケニー・ロジャースのアルト・サックス・ソロ、続いてハンク・モブレーのテナー・サックス・ソロ、ホレス・シルヴァーのピアノ・ソロへと展開します。続いて、アレンジが施された短いセクションを挟み、冒頭のテーマに回帰し、再び哀愁のテーマを奏で、そしてエンディングとなります。
本作はリー・モーガンがリーダーゆえ、トランペットを聴くアルバムには違いないですが、現在こうして聴いてみると、9月21日に亡くなったばかりのベニー・ゴルソンの楽曲や編曲の方に思わず耳がいってしまうのは必然的なことですね。なお、この次のブルーノート・レーベル第3作の『リー・モーガンVol.3』にはテナー・サックスにベニー・ゴルソンが参加し、全楽曲作編曲も担当し、名曲”アイ・リメンバー・クリフォード“の名演が収録されています。
国内盤SHM-CD
タグ : WEEKEND JAZZ
掲載: 2024年09月27日 10:00