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インパクト強すぎる名言連発!実写映画公開『聖☆おにいさん』のブッダは「超ハイスペックなひきこもり」?

自分とか、ないから。教養としての東洋哲学

目覚めた人「ブッダ」と神の子「イエス」が東京・立川でシェアハウスをする漫画「聖☆おにいさん」。聖人コンビの日常を緩いギャグテイストで描いた本作は、これまでにアニメ映画やドラマにもなった人気作品だ。2024年12月20日には新たに実写映画が公開され、「ブッダ」の染谷将太と「イエス」の松山ケンイチという組み合わせが、ドラマ版から引き続き好評を博している。

●ブッダが残すインパクト強すぎる名言の数々

「聖☆おにいさん」で注目したいのが、ブッダのインパクトが強すぎるセリフ。「『悟り』は開いておいたほうが絶対就職に有利だと思う!」や、「盗んだ木魚を打ち鳴らし、夜中に祇園精舎の窓を割って回る」など、なんともぶっ飛んだセリフを連発している。「祇園精舎」は史実上でブッダが説法をした寺として知られているが、本作のブッダはいわゆる「仏教パロディ」なセリフが目白押しだ。

また、ブッダが作中で着ているTシャツも仏教絡みのものが多い。「金の鹿」と書かれたTシャツは、ブッダが前世で鹿の群れのリーダーだったというエピソードからきている。さらに「像投げ」と書かれたTシャツは、ブッダが武芸を極める際に像を投げたというエピソードから。ブッダのTシャツは本作の注目ポイントのひとつでもある。

では、史実のブッダはどのような人物だったのか。ブッダをはじめとする東洋の哲学者の言葉や思想をまとめたのが、書籍「自分とか、ないから。教養としての東洋哲学」だ。「東洋哲学って何?」と思う人も少なくないだろう。著者のしんめいPは「ぶっ飛んでいるのに、なぜか論理的。生きづらさがマシになる(かもしれない)それが、東洋哲学。」と語る。


同書には、いつの時代も変わらない人類普遍の悩みに、ブッダたちがどう向き合ったのかが軽やかな口調で書かれている。キャラの濃い哲学者たちが揃う中、著者に「超ハイスペックなひきこもり」と称されたブッダ。王家に生まれ、恵まれた環境の中で育ったが、「この人生なんの意味があるんだ」「本当の自分ってなんなんだろう」と虚無感に苦しんでいたブッダのたどり着いた答えは「無我」。「これが自分」といえるものが何もないことに気づいたという。

同書に登場する東洋の哲学者たちは、今を悩む人にも通ずる様々な見方・考え方を与えてくれる。「聖☆おにいさん」のブッダと史実のブッダは全く異なるキャラクターだが、悩みを抱える人の「心を軽くしてくれる」という共通点はあるのかもしれない。

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タグ : レビュー・コラム

掲載: 2024年12月20日 11:10