「アオアシ」はなぜプロ選手や芸能人から支持される?アニメ化決定「フェルマーの料理」小林有吾の代表作を振り返る
2023年に志尊淳と高橋文哉のW主演で放送されたドラマ「フェルマーの料理」が、アニメ化されることが決定した。作者の小林有吾にとっては、2022年の「アオアシ」に続いて2作目のアニメ化となる。
●サッカー界や芸能界からも支持される「アオアシ」
2021年には、日本サッカーを盛り上げるためのスペシャルコラボレーション「グローイングアッププロジェクト」をJリーグと展開するなど、サッカー業界からも厚い支持を得ている作品「アオアシ」。NHKのサッカーニュース「Jリーグタイム」内では、「きょうのアオアシ」というコーナーが設けられたこともある。
もちろん人気を集めているのはサッカー業界からだけではない。芸能界にもファンは多く、「M-1グランプリ」で2連覇を果たした令和ロマン・高比良くるまも、昨年のM-1準決勝前に「戦ってる全てのみんなに読んで欲しい巻、準決前に読ませてもらってホントにやる気でた」とXにて最新刊を紹介。芸人のムーディー勝山や、ラッパーでBE:FIRSTのプロデューサーでもあるSKY-HIも「アオアシ」を絶賛している。
サッカー漫画は他にも数多く存在するが、これほど各方面から評価の高い「アオアシ」は一体どのような作品なのだろうか。「アオアシ」の主人公・青井葦人は愛媛の弱小サッカー部に所属しながら、ワンマンプレーで点数を取りまくる「FW」だ。中学最後の大会でも葦人の活躍で勝利がすぐそこに見えていたが、問題を起こして退場。結局チームは負けてしまう。
そんな葦人が出会ったのが、Jリーグの東京シティ・エスペリオンFCの育成組織である、ユースチームの監督・福田達也。このことがきっかけとなり、葦人の人生は変わってゆく―。
「アオアシ」は元々能力の高い人間が、ただ技術を磨くだけのサッカー漫画ではない。もちろんがむしゃらに努力もするが、上手くなるためにひたすら「思考」する姿が描かれているのが魅力だ。
例えばユース選抜試験で、実力差のある相手チームに押され絶望的な状況だった葦人。フィジカルと技術では敵わない相手に葦人が取った行動は、FW自ら自軍ゴールまで下がり相手チームを引き付け、敵ゴール近くへの僅かな隙を作ること。追い詰められた状況でも思考を止めず答えを導き出す姿は、説得力と共に大きなカタルシスを呼ぶのではないだろうか。
2020年まで川崎フロンターレに所属し、日本代表としても活躍した元サッカー選手・中村憲剛も現役時代から愛読しているという。「フェルマーの料理」の放送前に、小林有吾の代表作「アオアシ」もぜひチェックしてみてほしい。
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掲載: 2025年02月03日 12:10