“生涯最後のバンド”を結成して活動中の堺正章の知られざる来歴
2025年1月23日にフジテレビ系列で放送されたドラマ「日本一の最低男 ※私の家族はニセモノだった」の第3話に、主人公が住む街の区長として登場した堺正章。本作で主演する香取慎吾とは、2006年放送のドラマ「西遊記」以来19年ぶりのドラマ共演となり話題になった。そこで今回は、長きに渡って日本の芸能界で活躍してきた堺の来歴をあらためて振り返ってみたい。
●70年の芸歴で培われた数々の経験
堺といえば、俳優業での活躍を思い浮かべる人も多いだろう。例えば1978年に放送されたドラマ「西遊記」では、主人公の孫悟空役として主演。のちに香取慎吾が孫悟空を演じたリメイク版の「西遊記」でも、最終回に“謎の男”役でゲスト出演している。
実際に堺の役者としてのキャリアはとても長く、78歳にして芸歴はなんと70年。俳優として活躍した父・堺駿二に連れられて撮影所へ通っていた幼少期、監督から声をかけられ子役として映画に出演したのが芸能界デビューのきっかけだったという。
また俳優業だけでなく、MCとしてのキャリアも輝かしいものがある。料理バラエティ「チューボーですよ!」や教養バラエティ「世界一受けたい授業」をはじめ、これまでにさまざまな番組で進行役を担当。過去には、紅白歌合戦の司会を3年連続で務めた経験もあるほどだ。
長年テレビ番組へ出演しお茶の間を楽しませてきた堺だが、もともとは「ザ・スパイダース」というジャズバンドに所属していたバンドマンでもあった。最近ではシシド・カフカ、「ゴダイゴ」のミッキー吉野とともに、“生涯最後のバンド”として「堺正章 to MAGNETS」を結成し活動している。
そんな堺が自分の人生を振り返った著書「最高の二番手」が、2025年1月22日に発売された。堺自身のルーツや、芸能活動にまつわる貴重なエピソードがたっぷりと盛り込まれたエッセイ本だ。例えば自身の芸名として“堺”姓を名乗る理由について堺は、彼の父親がそれまでの芸能活動で積み上げてきた歴史と、役者としての思いを残していくためだったと本書で語る。
もともと堺という苗字は、日本人として初めてハリウッドで活躍した俳優・早川雪洲が弟子である堺の父へと授けたもの。堺にとって同じ苗字を名乗ることは、演技と真摯に向き合い続けた父親に対するリスペクトの表れなのだ。
堺のことを知る上でも、また芸能界のこれまでを振り返る上でも最良の一冊。ぜひ手に取ってみてはいかがだろうか。
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掲載: 2025年02月14日 15:15