作家としての知名度もうなぎのぼり!ジャルジャル福徳秀介の知る人ぞ知る意外な才能

お笑いコンビ・ジャルジャルの福徳秀介が書いた「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」が映画化され、4月25日から公開中だ。同作は2020年に出版された福徳の小説家デビュー作で、恋愛小説ながら“生”についても考えさせられる作品になっている。
●ネタ作りの経験・知識を活かした執筆活動
ジャルジャルといえば、“YouTubeに毎日ネタ動画をアップ”や“大晦日に108本ネタライブを約9時間かけておこなう”など、超ストイックな活動でも知られるコンビ。お笑いにかける情熱もすごいが、実は福徳の才能はお笑いだけにとどまらない。
というのも、福徳は執筆活動として絵本を多く手掛けており、「まくらのまーくん」は“第14回タリーズピクチャーブックアワード 絵本部門”で絵本大賞を受賞。ほかにも主人公が“鼻の穴”という、一風変わった絵本「なかよしっぱな」も手掛けている。漫才やコントを見ているかのような独特な世界観を持つ絵本は、読んだ人を虜にする不思議な力がある。ちなみにどちらの絵本も、福徳のいとこである北村絵里がイラストを担当しているとのことだ。
2019年の「ダヴィンチweb」では福徳の読書歴について語っており、特に内村光良の「アキオが走る」や「マチネの終わりに」、「夜は短し歩けよ乙女」が大好きだと明かしている。何十回も読み返したことで内容やセリフを覚えているため、“適当に開いたページから少しだけ読んで本棚に戻す”というかなり独特な読み方をするそう。2023年には、青春短編小説「しっぽの殻破り」も発売し、作家としての“福徳秀介”も定着してきている。
ちなみに今回映画化された「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」は、フィクションではあるが主人公のモデルは福徳自身だという。
2020年の「美的.com」のインタビューで、同作の主人公が「あいつ、いつもひとりでいる」という周囲の視線を遮るため“常に日傘を差している”ことについて、「これも僕自身の経験から」「Tシャツ、デニムに下駄という、昔のフォークソング歌手みたいな恰好をわざとして変なやつぶって」いたことを明かしていた。わざと変なやつぶって、“だからひとりなんや”と周りに思われたかった故の行動だったようだが、車両移動する際に下駄の音が鳴り響くのは恥ずかしかったと語っている。
お笑いだけでなく、小説家としての“福徳秀介”も堪能できるデビュー作を、ぜひチェックしてみてほしい。
福徳秀介 著書
タグ : レビュー・コラム
掲載: 2025年05月02日 22:19

