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予習必須?“SF史上最悪のパラドックス”と称される「リライト」が実写映画化

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映画『リライト』が6月13日に公開される。原作は、SFファンの間で“SF史上最悪のパラドックス”とまで称される法条遥の同名小説。同作は複雑で難解なストーリーが評判なことから「映像化できるの?」という声も多い。しかし、制作陣の顔ぶれを見ると、本作が並々ならぬ本気度で作られていることがわかる。

●複雑に入り組む超難解なストーリー

原作「リライト」は、未来からやってきた転校生・保彦を助けるため、中学2年生の美雪が10年後の2002年へタイムリープするところから始まる。目的を果たした美雪は元の時代へ戻り、さらに10年後の2002年には、作家となった美雪がタイムリープの経験を元に小説を出版。しかし、タイムリープ当日になっても10年前の美雪は現れない……。「なぜ10年前の自分が現れなかったのか?」と、不審に思った美雪は調べる中で記憶と現実の違いに気づき、物語が大きく歪みはじめる。

「リライト」は、読者から「一度読んだだけでは理解不能」「頭が混乱する」といわれるほど複雑に入り組んでいる。しかし、超難解なストーリーが「何度も読み返して謎を解き明かすのが楽しい」「この小説だけでずっと楽しめる」と根強いファンが多い。

そんな難解な物語を実写映画として成立させるのが、松居大悟監督だ。映画『アフロ田中』での長編デビュー以降、『ちょっと思い出しただけ』『不死身ラヴァーズ』など数々の青春映画を多く手がけており、若い世代からの支持を受けている。

さらに脚本には、演劇集団「ヨーロッパ企画」の上田誠を起用。上田は『四畳半タイムマシンブルース』や『リバー、流れないでよ』など、“時間”を題材にした作品を得意とする脚本家で、今回の『リライト』でもその手腕が期待されている。

また映画の公開に合わせて、法条遥による原作小説の新版が発売されている点も見逃せない。複雑なタイムリープ構造を事前に整理しておくための予習ツールとしてはもちろん、鑑賞後に作品の謎をじっくりと紐解く復習の意味でも楽しめるだろう。ぜひ映画と小説セットで『リライト』の難解な世界に浸ってみてはいかがだろうか。

映画『リライト』主題歌 Rin音「scenario」収録アルバム

法条遥 著書

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タグ : レビュー・コラム

掲載: 2025年05月26日 15:34