「ジブリの立体造型物展」が22年ぶりに東京で開催!実は海外作品も多いスタジオジブリの原作・ルーツ小説

2025年5月27日から、東京・天王洲の寺田倉庫で「ジブリの立体造型物展」がついに始まった。過去には全国を巡回した展覧会だが、東京での開催はなんと22年ぶり。『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』などの立体造型物や、『紅の豚』に登場する飛行艇サボイアS-21の木製アートなどが展示される。また、まだ知名度が低かったころのスタジオジブリ作品がどのような形で世界に届けられたのかを辿った展示もあるとのことで、見どころ満載の内容だ。
●宮崎駿だけじゃない!ジブリ作品のルーツは国内外の名作だった
スタジオジブリといえば宮崎駿のイメージが強く、原作から脚本まで全てを担当しているという印象も強い。確かに『となりのトトロ』『天空の城ラピュタ』『もののけ姫』など、ザ・ジブリといった代表作は宮崎駿が原作・脚本・監督に至るまで深く関わっている。
しかし実際には海外小説を原作にした作品も多い。例えば『ハウルの動く城』は、ダイアナ・ウィン・ジョーンズの小説「魔法使いハウルと火の悪魔」を元に制作されている。他にも『ゲド戦記』『借りぐらしのアリエッティ』『アーヤと魔女』などは、同様に海外の小説をベースにしたものだ。
一方で、国内の作品を原作にしたものも多数存在している。『火垂るの墓』『魔女の宅急便』『耳をすませば』などが代表的で、特に初期のジブリ作品に多い。原作の扱い方は作品によって異なり、テーマや世界観を忠実に再現しているものもあれば、オリジナル要素を取り入れているものもある。
2013年に引退宣言をした宮崎駿が10年ぶりに長編アニメーションを制作するとあって、大きな話題となった最新作『君たちはどう生きるか』も、吉野源三郎の同名小説をルーツにした作品。直接の原作というわけではないが、作中でも小説「君たちはどう生きるか」が登場している。事前情報を出さず、予告も制作しないという異例の公開となったが、初動4日間の成績は、動員135万人、興収21.4億円を突破。第96回アカデミー賞長編アニメーション映画部門賞も獲得し、日本映画としては『千と千尋の神隠し』以来21年ぶりの快挙となった。
「ジブリの立体造型物展」で実際に再現されたジブリの世界を直接感じながら、キャラクターや物語に想いを馳せることはかなり魅力的な時間となるだろう。展覧会を訪れる際には、小説「君たちはどう生きるか」を始めとした原作にもぜひ目を向けてみてほしい。原作を読むことで、伝えきれなかった細かな心理や背景を知ることができ、作品の世界観もより堪能できるはずだ。
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掲載: 2025年06月04日 11:52

