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俳優、脚本家、文筆家……多才すぎる怪優、佐藤二朗の「心のおもらし」とは?

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福田雄一監督作品をはじめ、数々の映画やドラマで独特の存在感を放つ俳優・佐藤二朗。今年後半には永井聡監督の映画『爆弾』で山田裕貴らと共演、福田監督の新作『新解釈・幕末伝』の公開も控えている。しかし、俳優という言葉だけでは彼を語るには足りない。多岐にわたる活躍ぶりと、見る者を魅了してやまない唯一無二の魅力に迫ろう。

●予測不能でマルチな才能により各所で活躍

佐藤は、福田監督作品に欠かせない俳優だ。予測不能なアドリブが大きな持ち味で、ドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズの仏役では、インパクトのある見た目と炸裂する天然ボケで人気を集めた。映画『アンダーニンジャ』では落ち武者のような独特のヘアスタイルで登場し、視聴者に強烈な印象を残したことも記憶に新しい。

コメディ俳優というイメージが強い佐藤だが、2021年公開の監督・出演作『はるヲうるひと』や、2022年公開の主演作『さがす』ではシリアスな役どころを演じている。見る者の心に刺さる演技が高く評価され、表現力の幅の広さを知らしめた。

また、佐藤が自身の演劇ユニット「ちからわざ」を旗揚げしたのは1996年のこと。以来、全公演で作・出演を務めている。2024年におこなわれた第13回公演「そのいのち」は、「第69回岸田國士戯曲賞」の最終候補作品にも選出された。ほか、『ケータイ刑事銭形シリーズ』や『恋する日曜日』などのドラマでは脚本も手掛けている。

マルチな才能は、文筆方面にもいかんなく発揮されているようだ。Xのアカウントフォロワー数は驚異の200万人超を誇り、投稿されるユーモアあふれる酔っ払いネタや妻の「毒舌考」など、一癖も二癖もある文章を楽しみにしているファンは多い。

そんな佐藤の初コラム集「心のおもらし」は、表現者としての“ジローイズム”をたっぷりと味わえる一冊だ。演技や脚本だけではうかがいしれない、佐藤二朗という人物像に深く触れることができる。衝撃的な未発表作品を含む脚本5作も収録されているというから、一読の価値は十二分。ぜひ手に取ってみてほしい。

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タグ : レビュー・コラム

掲載: 2025年09月05日 10:26