日本人作家初の快挙!ミステリー文学賞の最高峰“ダガー賞”を受賞したバイオレンスアクション「ババヤガの夜」

日本時間の2025年7月4日に、日本人作家・王谷晶の著書「ババヤガの夜」が英国のダガー賞・翻訳部門を受賞したというニュースが飛び込んできた。日本人作家のダガー賞受賞は史上初のこと。「ババヤガの夜」は2020年に刊行された小説だが、歴史的快挙を成し遂げたことで再び注目を集めている。
●2人の女性を中心とした血と暴力の世界
1981年生まれの王谷は、2012年刊行のゲームノベライズ作品「猛獣使いと王子様」でデビュー。これまでに「完璧じゃない、あたしたち」「君の六月は凍る」といった小説のほか、「カラダは私の何なんだ?」「40歳だけど大人になりたい」などのエッセイも発表している。
「ババヤガの夜」は、喧嘩しか取り柄のない主人公・新道依子が、暴力団の会長令嬢の護衛を任されるところから物語が動き出す“シスター・バイオレンスアクション”。同作は日本推理作家協会賞・長編および連作短編集部門の候補に選出されるほど高い評価を受け、英訳版は2024年にロサンゼルス・タイムズが発表した「この夏読むべきミステリー5冊」の1冊に選出された。
同作が最注目されるきっかけとなったダガー賞とは、世界最高峰のミステリー文学賞とされる「英国推理作家協会賞」のこと。米国のエドガー賞と並ぶ権威を誇り、受賞すれば世界中のミステリーファンから注目を浴びる。日本人作家では横山秀夫や東野圭吾らがノミネートされたことがあり、「ババヤガの夜」受賞時の最終候補には、柚木麻子の「BUTTER」も残っていた。
「ババヤガの夜」はストイックなバイオレンスアクションとあって、王谷の迫力ある血まみれ暴力描写が鮮烈。ラストには“大胆不敵な大仕掛け”が明かされる構成になっており、一度読み終えても繰り返し読み直したくなるはず。ミステリーの本場・英国をも驚かせた“大胆不敵な大仕掛け”の正体を、ぜひ自身の目で確かめてほしい。
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掲載: 2025年09月18日 10:50

