Naxos~2025年11月第2回発売新譜情報(7タイトル)

CD(7タイトル)
■作品詳細
今回はユーリア・プシュケルが弾くヴェイネルのヴァイオリン協奏曲に、モーツァルトの稀少ピアノ曲集、ロシア・ピアノ三重奏曲の歴史第9集、19世紀半ばの北西航路探検を題材としたマイケル・デライラの歌劇《北極探検》、リスト:ピアノ曲全集第67集など、世界初録音を含むCD7タイトルがリリースされます。
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レオー・ヴェイネル(1885-1960):管弦楽作品全集 第4集 - ヴァイオリン協奏曲第1番、セレナード 他
ヴァレリア・チャーニ(指揮)ブダペスト交響楽団、ユーリア・プシュケル(ヴァイオリン)
レオー・ヴェイネルは近代ハンガリーを代表する作曲家であり、自国の音楽教育の重要な指導者としても知られます。「ヴァイオリン協奏曲第1番」はソナタ Op.9 に巧みなオーケストレーションを施したもので、緊迫した劇的表現と遊び心あるユニークな旋律が交錯。更にここで聴かれる演奏は、第4楽章からカットされていた115小節を復元しており、初の完全版全曲録音となっています。21歳で作曲した「セレナード」は、様式化されたハンガリー舞曲に由来する軽快で親密かつ豊かな旋律により発表後すぐに成功を収め、今日でも高く評価されています。「ディヴェルティメント第3番」や「ハンガリー民謡による変奏曲」はブダペスト民族誌学博物館に所蔵の楽譜を使って演奏しました。
ユーリア・プシュケルはハンガリー出身。ブダペストのフランツ・リスト・アカデミーで学んだ後、ロンドン王立音楽院でジェルジ・パウクに師事し2016年に修士号取得。2016~21年ブリュッセルのエリザベート王妃音楽院でアーティスト・イン・レジデンスを務め、2019年のエリザベート王妃国際音楽コンクール入賞後、欧州各地で演奏会に出演、数々の賞を受賞しています。
(ナクソス・ジャパン)
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ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-1791):ピアノ作品集 - 断章と稀少作品
ヴィジャイ・ヴェンカテシュ(ピアノ)
モーツァルトの知られざる小品を通じて、作曲家としての成長の軌跡をたどるアルバム。1曲目のK.400は1781年頃の作で、未完のまま遺されたのをマキシミリアン・シュタードラー(1748-1833)が補筆完成させたもの。トラック2-15までは幼少期の作品。端正な旋律美と形式感の芽生えが感じられるとともに、舞曲形式の探求も見られます。トラック16からは中期から後期の作品で、成熟した美しさがあふれるメヌエットK.355、単なる舞曲の枠を越え、内省的な表現も感じられるK.315aの8曲や、ギャラント様式からロマン主義への転換となる1770年代後期から1780年代の作品が並びます。ピアノ・ソナタK.547aはヴァイオリン・ソナタK.547の改作で、ここでは間に変奏曲K.54を演奏しています。このK.54は作品番号こそ若いですが作曲は1788年頃で、ヴァイオリン・ソナタK.547と関連のある作品です。
アメリカ出身のピアニスト、ヴィジャイ・ヴェンカテシュは国際コンクール優勝歴を持ち、世界各地の主要オーケストラと共演。妻エヴァ・シャウムケルとピアノ・デュオとしても活躍しています。
(ナクソス・ジャパン)
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ロシア・ピアノ三重奏曲の歴史 第9集 ー グレチャニノフ、チェレプニン、アンフィシアトロフ、J. ヴァインベルク
ブラームス・トリオ
「ロシア・ピアノ三重奏曲の歴史」第9集は、ロシアを離れ各地で活躍した作曲家4人の作品を収録。1920年代のパリは、在外ロシア人にとって音楽の中心地であり、ロシア音楽院や在外ロシア音楽協会などが設立され、多くの偉大な作曲家が教鞭を取りました。60歳でパリに移住した「古い世代」に属するグレチャニノフは民族音楽やチャイコフスキーらの引用を用いた三重奏曲を、一家でパリに来たアレクサンドル・チェレプニンはロシア様式とフランス・モダニズム、アヴァンギャルドを融合し独自の九音音階を駆使した作品を創作。ローマに移住したアンフィシアトロフはプッチーニやマスカーニの影響を受けた美しい三重奏曲を書いています。他にはアメリカで活躍したヤコブ・ヴァインベルクのユダヤ音楽やロシアの旋律、タンゴのリズムを取り入れた三重奏曲を収録。ブラームス・トリオは、それぞれの土地の香りと作曲家の個性を豊かに描き出しました。
(ナクソス・ジャパン)
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世界初録音
マイケル・デライラ(1949-):歌劇《北極探検》
クララ・ロングストレス(指揮)ハーレム・チェンバー・プレイヤーズ
マイケル・デライラは、アメリカを代表する作曲家の一人であり、《The Leopard(山猫)》(8.669052)を含む4作の歌劇で高い評価と賞賛を得ています。この《北極探検》は、19世紀半ばの北西航路探検を題材とした歌劇。フランクリン卿が率いるイギリスの探検隊が消息を絶ったのち、アメリカ海軍医師エリシャ・ケント・ケインが救出と航路発見を目指して北極へ赴き、氷に閉じ込められながらもイヌイットの知恵により生還する物語が描かれます。「境界線の向こうに何があるのかを発見したい」という人間の探求心を探ると同時に、地球上で最も美しく、現在危機に瀕している北極の自然環境や、地球温暖化の影響、イヌイットの苦境も織り込まれており、独唱者たちがそれぞれの心情を歌い上げクライマックスを築きます。
ニュー・アムステルダム・シンガーズの創設者で音楽監督のクララ・ロングストレスは、1968年の設立以来グループを率いています。合唱会議の審査員やラトガース大学での教員経験があり、リモン・ダンス・カンパニーやマネス音楽大学オーケストラ、エイヴリー・フィッシャー・ホールでの「メサイア・シングイン」に客演指揮者として出演。さまざまな作品を演奏しています。
(ナクソス・ジャパン)
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フランツ・リスト(1811-1886):ピアノ曲全集 第67集 - 行進曲編曲集 - セーチェーニ、G. ドニゼッティ、ロッシーニ、シューベルト、ベートーヴェン 他
ポール・ウィリアムソン(ピアノ)
リストの時代、行進曲は民族の一体感や愛国心をかきたてる音楽でした。それらがリストの手により独自の芸術性を持つ作品へと昇華しています。ツィンバロムを思わせる響きがハンガリー狂詩曲を想起させるセーチェーニの作品。当時流行していたトルコ風の響きを用いた壮大、かつ華麗なジュゼッペ・ドニゼッティ(ガエターノの兄)の行進曲。こちらは比較的平易に改訂された第2稿も収録されています。《セゲドの復活》は技巧的で輝かしく、未完でありながらも劇的な《コリントの包囲》や、祝祭的気分に満ちたマイアベーア《祝典行進曲》、原曲よりも劇的なシューベルトとグリンカの行進曲、そしておなじみのベートーヴェンの「交響曲第3番」第2楽章も収録されています。カナダの若手ピアニスト、ポール・ウィリアムソンの演奏で。
(ナクソス・ジャパン)
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スミス・ブリンドル(1917-2003):ギター独奏のための作品全集 第3集 - イル・セルキオ、11月の思い出、ヴェノーサの王子 他
ドゥイリオ・メウッチ(ギター)
イギリスの作曲家レジナルド・スミス・ブリンドルは、若くして様々な楽器を学び、戦後にイタリアで作曲活動を開始。彼のギター作品はジュリアン・ブリームから高く評価されました。この第3集にはトスカーナ地方を流れるセルキオ川を題材にした「イル・セルキオ-前奏曲」や、サラバンド風の主題に強弱やテンポの異なるエピソードが交錯する高度な技巧を要する変奏曲、詩人グイダッチに献呈された郷愁と憂鬱に満ちた長大な「11月の思い出」など7作品を収録。更に詩的な情景描写から精神的深みを持つ変奏曲、教育的な無調作品、そしてジェズアルドに着想を得た傑作まで、多面的な創作世界を堪能できます。演奏はこれまでと同じくドゥイリオ・メウッチが担当し、ブリンドルの知的で繊細な音楽を色彩豊かに描き出しています。
(ナクソス・ジャパン)
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デイリウス・リム(1986-):夢の歌 - 合唱作品集
デイリウス・リム(指揮)ヴォイシズ・オヴ・シンガポール男声合唱団、ヴォイシズ・オヴ・シンガポール女声合唱団、ヴォイシズ・オヴ・シンガポール児童合唱団
シンガポールで活躍する作曲家デイリウス・リム。このアルバムの演奏は、彼が創設者兼芸術監督を務めるヴォイシズ・オヴ・シンガポール合唱協会によるもので、児童合唱団をはじめ、女声、男声合唱といった多彩な団体が参加し、リムの幅広い表現を持つ作品を紹介しています。彼の音楽は世界合唱大会やウィーン、スペインなど国際舞台で広く演奏されており、劇的で情感豊かな作風が特徴。人生の考察や東南アジアの民俗音楽、子どもたちの表現などを通して、希望に満ちた国家シンガポールの物語を描き出します。シンガポールのアンサンブルが録音した初のオール・シンガポール作品として、同国合唱界の新たな節目を刻む一枚です。
(ナクソス・ジャパン)
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2025年10月第2回&11月第1回発売タイトル
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2025年10月22日 14:00