Kahimi Karie
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カヒミ史の中でターニング・ポイントとなる作品
モーマスが自身のサイトで、カヒミ・カリィの新作について「渋谷系とはまったく異なったものとなる」と語っている。これまでの彼女の作品を全て“渋谷系”で括るのは少々強引かも知れないが、たしかに“渋谷系の系譜の上で独自の発展を遂げてきた”という言い方をすることはできるだろう。
彼女は92年、渋谷系というタームが最も華やかりし時代に「Mike Alway's Diary」でデビュー。小山田圭吾(コーネリアス)、小西康陽、アート・リンゼイら、作品ごとにタイプの異なるアーティストとコラボレートすることで、様々な表現方法を取り入れながらクオリティの高いアルバムをリリースしてきた。96年よりパリに生活の拠点を移し、『クロコダイルの涙』、『K.K.K.K.K』、『TILT』という3枚のアルバムをリリース。02年には80年代に自分が親しんできた曲をカバーしたアルバム『My Suitor』を発表している。この作品では、これまでの自身を振り返るようなコンセプトや選曲から、まるで彼女がそれまでの自分を一度リセットしたかのような印象を受けた。
そんな彼女の新作『Trapéziste』は、今回が初のコラボレートとなる高井康生、菊地成孔、芳垣安洋といった、DATECOURSE PENTAGON ROYALGARDEN周辺の人脈が大きくフィーチャーされ、フリージャズやエレクトロニカ的アプローチを多用した、これまでにない程フリーキーで奔放な作品となっている。もはや渋谷系という言葉が持つ要素はここには見られない。それは、彼女自身の「この作品はカヒミ史の中でターニング・ポイントとなる」という発言からも伝わってきた。
10年というカヒミ・カリィのキャリアの中で、この記念碑的な意味を持つアルバムを作る上で、彼女がどのような姿勢で望んだのか、またアルバムができあがるまでの経緯などについてbounce.com編集部が聞いてきた。
bounce.comオリジナル動画インタビューはこちら >PART1 >PART2
▼『Trapéziste』に参加したアーティストの作品を紹介
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