柳田久美子
純粋であるがゆえの“強さ”と“はかなさ”
2002年8月、曽我部恵一プロデュース、高野勲、木暮晋也ら腕利きのバックミュージシャンを従え、シングル「8月の虹」で華々しくデビューを飾った盛岡の高校生、柳田久美子。その後彼女は同じプロデューサー、バックバンドの下、ファーストアルバム『魔法のかけかた』をリリース。そしてめでたく去年の春に地元の大学に合格し、現在は大学に通いながら自らのペースでゆっくりと歌を束ねている。
日常生活であたりまえに感じる希望や不安、葛藤を臆面もなく表に出している。まさに文字どおりの等身大。それが彼女の曲から受けるイメージだ。そこにあるのは、少女としての年齢を過ぎてはいるものの、まだ大人の女性としては成熟しきれていない“はざま”にいる女性の危うくいびつな感情。しかし彼女は、自らの思いを解放しきれないもどかしさすらも歌に乗せて表現することにより、自分自身をじわじわと成長させてきた。それは、この度届けられた高野勲プロデュースの新作『手と手と温度』でも顕著だ。少女性を残しながらも凛とした佇まいの、自信を伺わせるボーカルと、温もりに満ちたメロディ。キャリアを共に踏んできたバックの演奏とボーカルのマッチング(それにしても木暮晋也のギタープレイが素晴らしい)。どれを取っても、ゆっくりと、確実に前進しているのがわかる。
このアルバムには、都会では味わうことのできない、盛岡で送る日々の時間がそのまま詰まっている。決して音楽的土壌が豊かというわけではない土地で純粋に育てられた19歳の女の子。彼女の目には日常はどう映っているのか。bounce.com編集部が彼女にメールインタビューで聞いた。
▼柳田久美子のこれまでの作品
・柳田久美子 メールインタビュー
自己紹介をお願いします。
柳田久美子:はじめまして! 柳田久美子と言います。岩手生まれ岩手育ちの19歳です。今も岩手の短大で勉強しながら音楽をやらせてもらっています。初めて自分で歌を作ったことに感動し、今の事務所にその歌を録ったテープを送ってしまったことがきっかけで音楽活動を始めました。それから、高校生のうちにシングル「8月の虹」とアルバム『魔法のかけかた』をだしました。この2作品とシングル「絵になる歌/恋の魔法」を曽我部恵一さんにプロデュースしていただきました。その後、高野勲さんにシングル「両手に星を」とニューアルバム『手と手と温度』をプロデュースしていただきました☆
曲作りをするようになったきっかけと、現在どのように曲作りの作業をしているのかを教えてください。
柳田:ゆずのコピーをして行くうちに、自分の好きなフレーズが少しずつ出来てきて、そういうのが多くなっていくうちになんだかそれが勿体なくなってきて、それで一番好きだったフレーズで必死に1曲の歌の形にしたのが最初のきっかけです。今も曲作りの感じは変わっていません。
これまでずっと盛岡で活動を続けていますが、柳田さんが盛岡に持っているこだわりがあったら教えてください。
柳田:こだわりというのはあまりないかもしれませんが…、盛岡好きなんです。冬は寒いし、夏は暑いんですけど。そのせいか季節をちゃんと感じれるというか…。そういうのけっこう私の歌に影響してると思うんです。
歌詞を書くときのテーマにしていること、モチーフにしているものがありましたら教えてください。
柳田:人との相談とか会話の中から歌詞のモチーフになることがあります。その時のその人の表情だったり、ちょっとした言葉で自分が「いいなぁ」って思うとそれをモチーフに歌を作らしてもらってる感じです。
アルバムに参加した高野勲さん、木暮晋也さんたちとは、既に1年以上の付き合いがありますが、柳田さんの中で彼らとの付き合い方に変化は出てきていると思いますか?
柳田:いろいろ気軽に話せるようになりました。最初はやっぱり年齢も大分違いますし、音楽の達人方ですからなんだか怖い感じがしてちょっと話しづらかったりしたんですが、今はそんなことなく、むしろわがまま聞いてもらってます(^ ^;)
これからやってみたいこと、挑戦したいことがあったら教えてください。
柳田:今後はライブをいっぱいやりたいなぁ~と思っています!いろんな場所に行って、ライブやって、おいしい物食べたいです♪
ファンのみなさんへメッセージをお願いします。
柳田:ファーストアルバム『魔法のかけかた』から1年経ちました。その1年間の成長ぶり?を今回の「手と手と温度」で感じてもらえるんじゃないかなぁ~と勝手に思ってます。いいアルバムです。良かったら聞いてみてください。それから・・・4月に東京でライブをやります!!東京では初めてなので緊張しますが、楽しんでやりたいと思っているのでぜひぜひ見に来てくださ~い(^ ^)