インタビュー

トリスタン・プリティマンと併せてチェックしておきたい、カリフォルニア発の麗しい女性シンガー・ソングライターをご紹介!!


INARA GEORGE
 バード・アンド・ザ・ビー(以下B&B)のイナラ・ジョージによるファースト・ソロ・アルバム『All Rise』がついに日本上陸。そもそも本盤は2005年にUSのエヴァーラヴィング(ジャック・ジョンソンやベン・ハーパーとの仕事で知られるJP・プルニエ主宰のレーベル)から発表されたもので、B&B結成のきっかけとなった一枚である。とはいえ、B&Bのキュートでポップなエレクトロニカ路線とは趣を異にする、内省的な歌世界に誰もが驚かされることだろう。彼女の憂いを帯びたヴォーカルと、アコギを基調としたドリーミーな装飾音が朝靄の如く立ちこめるサウンドは、美しくもどこか不穏で、夢幻フォークトロニカ~現代版アシッド・フォークとしても楽しめる仕上がりだ。大御所のジャクソン・ブラウンがゲスト参加するなど、ローウェル・ジョージ(元リトル・フィート)を父に持つ彼女の人脈の広さも窺える。


COLBIE CAILLAT
 いまもっとも注目すべき女性シンガー・ソングライターといえば、このうら若き22歳、コルビー・キャレイだろう。2007年夏に全米チャート初登場5位を記録して以来、本国ではいまだにロングセラーを続けているデビュー・アルバム『Coco』が、この3月に満を持して日本盤化される。風通し抜群のアコースティック・サウンドやトロピカルなルックスから、〈女性版ジャック・ジョンソン〉~〈トリスタン・プリティマンに続くサーフ・ロックの女王〉といったオーガニック路線で語られがちな彼女だが、そんな先入観によってリスナーを限定されちゃあもったいない。普遍的なグッド・メロディーがもたらす聴き心地の良さやどこか懐かしい味わいは、ノラ・ジョーンズらと同列で聴かれるべき珠玉の〈ポップス〉。つまり何も夕暮れの浜辺で聴かなくとも、その音楽は万人に愛されるだけの輝きを十二分に放っているってことである。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2008年02月28日 16:00

更新: 2008年02月28日 17:10

ソース: 『bounce』 296号(2008/2/25)

文/田中 幹也

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