インタビュー

Pinky Piglets 『MUSIC RIPPLE』

 

底抜けのキュートさと男子顔負けのパワフルさで、心の内のリアルを解き放つ――3人が作るピンクの波紋は広がりはじめているよ!

 

 

ポップ・パンクなサウンドも、甘いロリータ系ヴォイスもキャッチーなメロディーも、女の子の本音を綴る歌詞も、すべてがとにかくカワイイ。10年以上の結束を誇る女子校育ちのガールズ・バンドであるPin-ky Pigletsは、2008年12月にロンドンで行われた音楽コンテスト〈GBOB〉に日本代表として出場し、オーディエンスの熱烈なレスポンスを味方に付けて見事3位入賞。また昨年はカナダのフェスにも招待され、日本女子代表バンドとして一躍注目を集める存在になった。

「〈GBOB〉の世界大会に行けたことが、いまのスタイルを作ったいちばんのきっかけかもしれない。私たちはこれまであんまりギャルバンっていう意識をしてこなかったんですよ。女子校で、必然的に女の子しかいなかったんで。でも海外に行って〈女の子のバンドにはこういうレスポンスが来るんだ〉って、初めて気付いたんです」(SEIXO、ドラムス)。

「いままでは男っぽくしようとか、強い自分たちを出そうとしてたけど、逆に女の子だからこそできるものは何か?というのを考えるようになりました」(ASUJA、ヴォーカル)。

曲作りのやり方も、より全員の個性が混じり合う形へと進化。今回発表する2枚目のミニ・アルバム『MUSIC RIPPLE』は、これまで以上にヴァラエティーに富み、バンド・サウンドの一体感を磨き上げた飛躍の一枚だ。

「2年前のファースト・ミニ・アルバムの時は、〈この曲は誰メインの曲〉っていう感じだったんですけど、今回は1曲ずつにみんなのスパイスが入っています。いま私たちができるすべてを詰め込んだので、満足度120%です」(MIKKO、ギター)。

ホーン入りのポップ・パンク“YOU&I”で賑やかに幕を開け、ラップを披露したミクスチャーやファンキーなダンス・チューン、泣けるスロウ、ガレージ感たっぷりのロックンロールなどカラフルな音のアトラクションをひと巡りし、流麗なストリングスを加えたロック・バラード“夕暮レコード”まで。サウンドの多彩さに負けず、歌詞もケータイ世代の若者が抱く希望や悩み、切ない失恋物語から女同士の熱い友情まで、〈あるある〉と頷けるリアルなテーマが揃っている。

「笑ってたり、恋してたり、上手くいかないなあと思ってたり……日常から生まれてきた曲が多いです。聴いてくれた人の勇気になってもらえたら嬉しいですね」(ASUJA)。

「生きていくなかで誰もが体験することを自分たちの経験を踏まえ、いろんな音楽のパターンで表現できました。本当に120%です」(SEIXO)。

アルバム・タイトルには、この作品をきっかけに音楽の〈RIPPLE〉=波紋を広げてもっと多くの人と繋がりたい、という願いが込められている。ライヴハウスのほかに渋谷でストリート・ライヴもやっているので、近くの方はぜひチェックを。

 

▼Pinky Pigletsの作品を紹介。

Pinky Pigletsの2007年のミニ・アルバム『HOPPING!!』(Hearts Works)

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掲載: 2010年03月18日 18:40

更新: 2010年03月18日 18:50

ソース: bounce 318号 (2010年2月25日発行)

文・インタヴュー/宮本英夫