インタビュー

サカナクションと共に聴いてほしい、あんな人こんな人――(1)

 

QUEEN『A Night At The Opera』 Parlophone(1975)

バンド・サウンドに思いもよらぬ音楽性の奥深さを垣間見せるサカナクション。2作目に収録の“ナイトフィッシング”では“Bohemian Rhapsody”まんまなコーラス・ワークに圧倒されたが、新作では“目が明く藍色”の7分にも及ぶ壮大なロック・シンフォニーに同様のそれっぽさが。*冨田

友部正人『歯車とスモークド・サーモン』 ミディクリエイティブ(2008)

山口一郎はフォーク・ソングを聴いて育ったというだけに、サカナクションの音楽における言葉の重要性は大きい。なかでもファンだという友部は彼のルーツの一人であり、文学性の高い詩的表現だけでなく〈音楽は時代を切り取るもの〉という思想の面でも大きな影響を与えていると言えよう。*金子

フィッシュマンズ『空中キャンプ』 ポリドール(1996)

あくまで日本語のポップスでありながらダブ/レゲエの要素を取り込んだフィッシュマンズと、同じく日本語を重視しながらクラブ・ミュージックの要素を取り込んだサカナクションは、根本となる実験精神を共有している。『kikUUiki』にはダブの要素も散見され、バンド名だけではない両者の共通点が確かに窺える。*金子

くるり『TEAM ROCK』 スピードスター(2001)

フォーキーな歌と高い雑食性という点で、くるりはサカナクションのひとつの指針と言える。特にキャリアのなかでもっともエレクトロニックで、ヒップホップやハウスなどさまざまな要素が詰め込まれた本作とのリンクは強く、“アルクアラウンド”は“ワンダーフォーゲル”を思い起こさせた。*金子

rei harakami『lust』 Sublime/ミュージックマイン(2005)

シングル『アルクアラウンド』のカップリングで“ネイティブダンサー”のリミックスを手掛けた彼は、山口一郎が敬愛するアーティストのひとり。電子音を繊細に操り、アコギを抱えたシンガー・ソングライターのようにリリカルな情景を描く彼の音世界は、サカナクションの持つ叙情性を愛する人なら無理なく入り込めるはず。*澤田

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掲載: 2010年03月23日 19:40

更新: 2010年03月23日 19:42

ソース: bounce 319号 (2010年3月25日発行)

ディスクガイド/金子厚武、澤田大輔、冨田明宏