インタビュー

DAISHI DANCE 『MYDJBOOTH』

 

意外にも初のミックスCDが登場! さあ、パーティーにおいでよ!!

 

 

「昔からミックスCDのことは常に念頭にあったんです。なかなかタイミングが合わなくてリリースすることができなかったんですが、ようやく念願が叶いました」。

そう語るのは、いまや日本のハウス界を代表するDJ/クリエイター、DAISHI DANCE。DJとして札幌のレギュラー・パーティーでは14年ものキャリアを持ちながら、意外にも本人名義では初となるミックスCD『MYDJBOOTH』を発表した。ファンにとっては長い間待ち続けたまさに待望と言える本作。タイトルからもわかるように、ここには彼のDJセットそのものが反映されている。

「選曲は悩んだんですけど、やはり現場と直結している自分のパーティーでヘヴィー・プレイしている楽曲から選びました。というのも、ここ数年で全国でレギュラー・パーティーを持つことができて、自分とフロアとの関係もいまがベストの状態だと思うんです。デビュー当時はDJにしても楽曲のメロディアスなイメージを期待されることが多くて、僕自身それを裏切れない部分もあって、自分のプレイを模索している部分があった。でもいまはその期待と本来のDJプレイがひとつの形になって、オーディエンスを含めて素晴らしい空間が出来ている。それだけに、その空気をそのままパッケージしたかったんですよ。そして僕のリスナーのなかにはまだまだクラブに来ない、来たくても来れない人が多いと思うんですけど、そういった人にも僕のいまのDJ活動を知ってほしいと思って」。

本作には海外の旬なアーティストに加え、自身の楽曲を2曲、そして初公開となるDAISHI DANCEの別名義=Limited Expressのナンバーを含めた計13曲が収録されている。いずれもCD初収録という豪華仕様だが、楽曲単位のクォリティー以上に、経験豊富な彼のスキルや卓越したミックス・センスにも注目である。

「自分は6時間以上のロングセットでDJすることが多いのですが、いつもジェットコースターのような選曲、意外性というかサプライズを散りばめながら細分化したハウス・ミュージックをハイブリッドに行き来するようなDJスタイルなんです。今回のミックスCDは75分くらいなんですが、限られた時間のなかで空気感を変えるさまざまなミックスの手法を用いて、いろいろな方向性のハウスを入れ込みながらレギュラー・クラブ同様のDJブースで札幌の自宅で録音しました。いつものパーティーの雰囲気が詰め込めたと思います!」。

DAISHI DANCEが本来持ち得るDJとしての魅力、そしてハウスの醍醐味がこの一枚に凝縮されている。

 

▼DAISHI DANCEの作品を紹介。

左から、2007年作『MELODIES MELODIES』(Apt./NEW WORLD)、2008年作『theジブリset』(URBAN SOUND PROJECT)、リミックス集『DAISHI DANCE remix.』(Apt./NEW WORLD)、2009年作『Spectacle.』(URBAN SOUND PROJECT)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2010年05月21日 19:50

更新: 2010年05月21日 19:51

ソース: bounce 320号 (2010年4月25日発行)

インタビュー・文/杉山忠之