インタビュー

ONE OK ROCK『Nicheシンドローム』

  

 今回はすごく高い場所にハードルを設定して、4人が一丸となってそこを目指した-新生ONE OK ROCK、
ここに覚醒!

 入魂、という言葉はこんな音楽にこそふさわしい。ONE OK ROCK、約2年ぶりとなるアルバム『Nicheシンドローム』は-Taka(Vo.)、Toru(Gt.)、Ryota(Ba.)、Tomoya(Dr.)-新たに4人編成となったバンドの<いま、ここに生きている>という絶叫と<音楽を鳴らし続ける>という決意が全13曲へ赤裸裸に投影され、各曲が互いに刺激されるように連なり、そして1枚のリアルなドラマとなって結実する、そんなロック・ドキュメンタリーのような作品である。

Taka(Vo.)「この2年間のあいだに痛感したのは、バンドって続けること自体が体力や精神力がいるということで。だからこそ、アルバムをつくるということは、神経を研ぎ澄ませて、身を削る作業なんですよね。今回はすごく高い場所にハードルを設定して、4人が一丸となってそこを目指したんです。だからすっごくピリピリもしたし、その分いままで以上に作品に注ぐ熱量がすごかった。自分がしんどいなと思ったときは誰かの姿に感化されて、<もっと上にいってやる!>って思う、そんな制作時間でした」

先行シングル“完全感覚Dreamer”で示した、
ロック・バンドが純真で濃密なラウド・サウンドを響かせ、
臨界点を目指すほどにエモーショナルであることは、
リスナーの琴線を止めどなく震わせるメロディアスな歌をも創造するというダイナミズム。
そんな彼らの音楽的アティチュード、メソッドが1曲1曲、入念に注ぎ込まれている。
この4人の生き様を、この4人にしか鳴らせない音楽へ昇華するように。
そして、本作の存在自体が、リスナーへ向かう力強いメッセージとなっている。

「バンドってみんな何かを変えたいと思って音楽を鳴らしているんですけど、
でも、それを実際に変えるのはバンドではなくて、
その音楽を聴いたリスナーが何かを感じ取って変えようとしてくれるんですよね。
だからこそ音楽は誰かの人生の一部になれるし、世界を変える力を持つことだってできる。
それが音楽の力だと僕は信じています」

 こんなバンドを音楽は裏切らない。絶対に。
 

■ PROFILE…ONE OK ROCK(ワン・オク・ロック)

2005年に結成しライヴを中心に活動。
エモ/ロック/メタルの要素を詰め込んだサウンドと、アグレッシブなライヴ・パフォーマンスが支持されている。
アルバムリリース後は全国のZEPPツアー、夏フェス出演そして今秋には日本武道館公演も決定。

 
記事内容:TOWER 2010/6/05号より掲載

カテゴリ : HOT PICKS

掲載: 2010年06月02日 12:35

更新: 2010年06月02日 16:05

ソース: 2010/06/05

三宅正一