インタビュー

the brilliant green 『BLACKOUT』

  

 「真っ暗になったら何も見えなくなってしまいますよね? でも目が慣れてくると徐々に見えてきますよね…」(川瀬智子)

 09年、所属レーベルも事務所も変わったthe brilliant green。
10年に入った直後、デビュー以来活動を共にしてきたメンバーの松井亮も脱退。
新しいブリグリプロジェクトがスタートした。
だが「何も変わらない、何も変えない、それが僕らなんです」
奥田俊作はさらっと言いのけた。

ブリグリのデビューは97年。
当時の日本の音楽シーンに彼らが放った音は強烈、且つ、鮮烈だった。
彼らの制作はデビュー以来一貫している。
奥田が手掛けた曲とアレンジが先にあって、
それを聴いて浮かんできたテーマやイメージに合わせて
川瀬智子(Vo.)が歌詞を書いていく。そのスタイルをただひたすらに貫いている。
前作のオリジナル・アルバムが発売されたのは02年。
それから8年、相変わらず、彼らのスピード、スタイル、スタンスで楽曲制作を貫いてきた。

ヴォーカルと歌詞を担当する川瀬は言う。
「歌詞のテーマと世界観は、一度曲を聴くと大体決まっちゃいますね。
そこから逃れられなくなるので、いつも逆に辛いんですけど…。
イメージが先にできちゃうから、それに合わせて書いていかないと
全然書けなくなってしまうんですよね。
良い言葉を残そうとするあまり、最初のイメージと変わってしまって、
結局最初から作り直したりすることもあるんですよ。
そして、今回のアルバム・タイトルは『BLACKOUT』。
テーマもそのままの<停電>という意味なんです。
真っ暗になったら何も見えなくなってしまいますよね?
でも目が慣れてくると徐々に見えてきますよね…。
見えなくなっていたものが見えてきた時の安心感というか、
再発見した時の感覚というか、
そういう意味を込めて名付けました。
今のthe brilliant greenをそのまま詰め込んだ一枚が出来上がりました。
楽しんで聴いてもらえると嬉しいです」
 

デビューして13年。確実に着実に成熟しているであろう彼らの奏でる音楽が、
今の日本の音楽シーンという水面にどういう波紋を広がっていくか楽しみでならない。

 

 ■SONG LIST……『BLACKOUT』

1. BLACKOUT 
2. BLACK DARK NIGHT 
3. I’m sick of this place 
4. Talk to me 
5. Blue Daisy 
6. Break Free 
7. Going Underground 
8. WHIRLWIND 
9. Spring Gate 
10. Song 2(COVER) 
11. I Just Can't Breathe... 
12. LIKE YESTERDAY 
13. BLUE SUNRISE

■ PROFILE…the brilliant green(ザ・ブリリアント・グリーン)

95年、バンド結成。97年、デビュー。その唯一無比な音楽観で圧倒的な支持を集める。
過去、20枚のシングルと5枚のアルバムを発表し、その総売上枚数は、540万枚を超える。
そのヒット曲の数々は、鮮烈にファンの胸に焼き付いている。

 
記事内容:TOWER 2010/9/05号より掲載

カテゴリ : HOT PICKS

掲載: 2010年09月03日 10:00

更新: 2010年09月03日 10:08

ソース: 2010/09/05

カワカミヤスヒロ