インタビュー

独断と偏見で選んだ『THE GUIDE』がガイドすると思うものたち――(2)

 

太平洋不知火楽団 『太平洋不知火楽団』 Yanagawa(2010)

あ、ソーレー、あ、ヨイショー——てな具合に合いの手でも入れたくなる“Draft”の民謡調メロディーですが、太平洋不知火楽団の“SF(B級)”にもまさにそんな感じが窺えます。ザ・フー×民謡を思わせる斬新な曲調……これまたギリギリのラインで成立しているまさかのスタイリッシュさ!

イエロー・マジック・オーケストラ 『イエロー・マジック・オーケストラ』 アルファ/ソニー(1978)

“ido”の鍵盤ソロがおもしろいな、オリエンタルだな……でもどこかで聴いたことがある感触。何だろう、何だっけ?——という問答の末に辿り着いた答えが、イエロー・マジック・オーケストラの初作にありました。“SIMOON”なんてズバリですね。『THE GUIDE』の随所にそんな雰囲気が漂っています。

八十八ヶ所巡礼 『八+八 Psychedelic Progressive Revolution(2010)

“RCA”でのフリーキーなインプロ合戦。そのカオスの向こう側には何が待ち受けているのか。“君が代”をモチーフに使った八十八ヶ所巡礼の“日本”でも同様のカオティックぶりが味わえますが、彼らの場合、その先にあったのは激烈な説教でした。だから何だって話ですね、すみません。

海援隊 『3年B組金八先生 THEME SONG COLLECTION』 ユニバーサル

アコースティック曲“Parabola”で浮かんだのは、夕暮れ~川の土手~家路を急ぐ中学生……って金八じゃん! 金八には海援隊しかあり得ないはずだけど、これもアリだな。異国の美しい風景を見せるより、こんな親しみのあるノスタルジーの世界にうっかり引き込んじゃうところが彼ららしい。

THE LIBERTINES 『The Libertines』 Rough Trade(2004)

リバティーンズには〈フニャの美学〉というものがあると思うんです。すごく尖がっててカッコイイけど、どこかフニャフニャしている。そこに惹かれるわけですが、スペアザもそういうところがあります。“Tomorrow”はリバの“The Man Who Would Be King”に近いフニャり方。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2010年09月28日 18:42

更新: 2010年09月28日 18:51

ソース: bounce 325号 (2010年9月25日発行)

ディスクガイド/加藤直子

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