インタビュー

石川さゆり with 奥田民生 『Baby Baby』

  

 「いい曲だなあ、私が歌ったらどうなるかなって」(石川さゆり)
「演歌も好きですけど、演歌を作ったわけではなくて」(奥田民生)」

 石川さゆりと奥田民生がコラボレーション! この越境コラボのきっかけは、
昨年のくるり主宰の野外イベント「京都音楽博覧会」に2人が参加、
初体験の野外フェスを堪能した石川と奥田が、意気投合したことだった。




石川さゆり「曲をお願いする、というより、一緒に何かやれたらいいねって。
私は2,000曲以上レコーディングして、いろんな色の、ありとあらゆる曲を
歌わせてもらってきたけれど、まだ何かあるだろう、
面白いことを見つけたいと、思うんですよね」

 

奥田民生「最初はどういう曲を作るか決まってなかったんですけど。
まあ演歌みたいなものも僕は好きなんですけど、演歌を作ったわけではなくて。
プレッシャーは無かったですけど、今までにない刺激がありましたね」

 

 出来上がった曲は、モータウン調を意識したと奥田がいう“Baby Baby”。
石川のキュートな歌声が新鮮に響くポップ・チューンだ。

 

石川「いい曲だなあ、私が歌ったらどうなるのかなあと
おもいながらデモ・テープを聴いて。
奥田さんの歌は男性のアプローチをしてらしたので、
女性だったらこうなるかなって感じで。
“天城越え”とは発声も違うし、歌詞の内容より声が中心かなと思って」

 

 もう1曲はムード歌謡テイストも漂う“スロウサーフィン”。
石川のしっとりした歌に、奥田の声が薄く重なるスモーキーなナンバー。

 

奥田「女子と男子の声が一緒に出ると
「銀恋」(“銀座の恋の物語”)みたいになっちゃうんで、
だんだん僕の声を下げて行って。
でもこの曲の狙いは、雨の中で嫌々サーフィンやってる感じ。
辛いなーみたいなね(笑)」

 

 2曲とも奥田の新作『OTRL』と同様に、ほぼ全楽器を自ら演奏。
東京スカパラダイス・オーケストラの管隊と、
Leyonaとうつみようこがコーラスで参加した。
柔軟に音楽を楽しんでいる2人の姿勢が伝わる2曲は、
意外性に留まらない新鮮な刺激を私たちにも与えてくれる。

 

 

■SONG LIST……『Baby Baby』

01.Baby Baby
02.スロウサーフィン
03.Baby Baby(Instrumental)
04.スロウサーフィン(Instrumental) 

 

 

■ PROFILE…石川さゆり with 奥田民生(いしかわ さゆり / おくだ たみお)

“天城越え”などのヒット曲で知られる歌手の石川さゆりと、
ロック・バンドのユニコーンを経てソロ活動をしている奥田民生の、初顔合わせ。
奥田の楽曲を柔軟に歌いこなす石川の歌唱力・表現力に感服する珠玉の2曲が誕生。

   
記事内容:TOWER 2010/10/20号より掲載

カテゴリ : HOT PICKS

掲載: 2010年10月20日 11:59

ソース: 2010/10/20

今井智子