インタビュー

アクア・トリニティ

稀有な三重奏を多彩に響かせて~追い越せ嵐!目指せ武道館!

人気最上位の若手実力派として活躍中の礒絵里子(ヴァイオリン)、水谷川優子(チェロ)、水永牧子(チェンバロ)が、モダン楽器と古楽器による稀有な三重奏を組んだ。それがチェンバロ三重奏「アクア・トリニティ」である。3人の名前が〈アクア(水)〉に関係しており、器によって千変万化する〈水〉のようなユニットでありたいとの思いでトリニティ(三位一体)と名付けた。

礒さんと水谷川さんにお話を聞いた。

「07年にトリオ結成の話があり、翌年2月にチェンバロ三重奏としてデビューしました。チェンバロとのデュオは経験がありましたから、三重奏に抵抗はありませんでしたが、何回もリハーサルを重ねていくうちに、チェンバロの得手不得手や特性がわかってきた感じです。未知の音楽フィールドで苦節3年、チェンバロ三重奏で何ができるのかなと試行錯誤を続けてきました」(礒絵里子)

「それまで全然違う方向を向いていた3人が、実際に譜面を持ち寄って初めて音を出したとき、無限の可能性を感じ、これならいけると思いました。3人で組んで新しい道が拓けました、手応えを全員が感じています、ユニットに対する期待は3人とも同じ。絶対に踏みとどまらないで、進化していきたいと思っています」(水谷川優子)

各人各様、水のなかで素敵な化学反応をおこしているに相違ない。そんなアクア・トリニティのデビューCD『水の薫り』がリリースされた。ルクレール《トリオ・ソナタ》、ラモー《クラヴサン・コンセール》などのオリジナル、ビゼー《アルルの女》、モーツァルト『魔笛』、コレルリ《ラ・フォリア》などの編曲物、映画音楽『黒いオルフェ』『ゴッドファーザー』、そしてピアソラ作品まで、枠をこえ、繊細かつ大胆、縦横無尽に演奏している。

「3人の多面性を聴いていただきたいと思いました。録音は、曲数も多く、古楽奏法との弾きわけも難しかったけど、音楽内容でマイクやポジションも変えることで刺激を受け、集中力も高かったと思います」(水谷川)

「録る過程でとても勉強になりました。CDは、生で聴かれないかたにも発信できる喜びと期待があります」(礒)

CDデビュー記念コンサート、まずは12月8日東京文化会館で開催した。次なるプランは?

「追い越せ嵐!目指せ武道館!(笑)チャレンジャーの3人ならどんなことでもできそうに思えます」(水谷川)

「3人とも、何も無いところから始めたという自信があります。CDに収めた多彩なジャンルのレパートリーを拡充していきたい。どれも聴きやすく、しかも上質なので、幅広い層の音楽ファンに発信していけたらと思います。チェンバロ三重奏という新しいジャンルの音と響きを、CDと演奏会で聴いていただけたら嬉しい…」(礒)

「3人とも楽しく演奏しています、それがお客さまにも伝わればいいなと思ってます。予定さえ空いていればいつでも演奏に伺います!ご連絡くださいね(笑)」(礒・水谷川)

『アクア・トリニティ チェンバロ三重奏コンサート』
出演:アクア・トリニティ:礒絵里子(vn)水谷川優子(vc) 水永牧子(cemb)
12/23(木・祝)13:30開場 14:00開演
会場:高崎シティギャラリーコアホール
http://www.concert.co.jp/

カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2010年12月21日 15:39

更新: 2010年12月21日 15:49

interview & text : 横堀朱美(音楽ジャーナリスト)