インタビュー

NY~ロンドン~東京~アトリエ──Rie fuが語る〈場所×音楽〉

 

 

昨年はNYに弾き語り修行に行く機会があり、滞在中は日本のフェスで観て普段もよく聴いていたヴァンパイア・ウィークエンドのライヴを観たいと思ったのですが日程が合わず、しかし思いがけずイギリスのアーティスト、マリーナ・アンド・ザ・ダイアモンズのライヴが観られてワクワクでした。$10でCD付きという破格で良心的なライヴを行っていたのが、ノラジョーンズのあの有名な曲の作者、ジェシー・ハリス。親しみやすく、のどかでいてロックな音色に酔いしれました。NYでのライヴで私は必ずジョニ・ミッチェルのカヴァー“Chelsea Morning”を歌っていました。歌の舞台になっているチェルシーの街は、少し高級感が出て来つつ、今でもアーティストや開放的な人々の暮らす空気感が漂っていました。

場所は変わってアメリカはハワイに最近初めて行って来ました。ハワイといえばビーチに波音に暖かくゆるい空気感、そしてジャック・ジョンソン。滞在中も現地で聴きながら「やっぱり合うね~」と浸っていました。アコギと優しい歌声は南国に合いますよね。女性だとコルビー・キャレイも好きなアーティスト。ジャック・ジョンソンはロンドンに住んでいた時からよく聴いていて、イギリス特有の憂鬱な天気の下で、ハワイへの憧れの気持ちを持ちながら聴いていたのを思い出します。イギリス人にもファンが多い。やはり気候への憧れでしょうか。

イギリス人アーティストで最近気になっているのがアンナ・カルヴィ。私も最近エレキで弾き語りをしてみたりしているのですが、彼女は優雅な風貌で、バンドをバックにエレキをかき鳴らすという色気たっぷりのスタイル。

 

 

近くのスカイツリーで話題になっている地域、浅草にも最近は注目することが多く、昨年秋には35mの浅草の街中の壁にライヴ・ペインティングも行ったりしました。下町ならではの街並みや人々のフランクさが逆に新鮮でした。個人的な出身地、ルーツでもある東京という街、そして東京のエンターテイメントのルーツの浅草。そこで、またもや個人的な音楽ルーツになるカーペンターズのカヴァー・ライヴを行っています。

私にとっての創作の場所、アトリエと呼んでいる部屋があります。そこでは昨年リリースした『at Rie sessions』のすべての制作を行ったり、絵を描いたりしています。だいたい音楽を聴きながら絵を描いているのですが、ジムで運動しているときと同じような感覚で、最近はケイティ・ペリーなど、アップテンポで、ノリノリなテンションになれるような曲を流していると筆が進みます。

 

▼関連盤を紹介。

左から、ヴァンパイア・ウィークエンドの2010年作『Contra』(XL)、ジェシー・ハリスの2010年作『Through The Night』(プランクトン)、ジャック・ジョンソンの2010年作『To The Sea』(Island)、アンナ・カルヴィの2011年作『Anna Calvi』(Domino)、ケイティ・ペリーの2010年作『Teenage Dream』(Capitol)

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2011年04月08日 13:20

更新: 2011年04月08日 13:20

ソース: bounce 329号 (2011年2月25日発行)

構成/編集部

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