インタビュー

カラフル

4本のクラリネットが奏でるJ-POPの名曲ラヴソング集

4本のクラリネットで、色鮮やかな音楽を奏でる女性クラリネットカルテット、カラフルの新作『Colourful Love Songs』は、「同世代の女の子や、中高生に特に聴いて欲しい」という、切なさと懐かしさと爽やかさがたっぷりと詰まった、とっておきのラヴソング集になっている。

爽やかな疾走感のあるflumpoolの《君に届け》。嵐の《One Love》をはじめ、「アレンジがすごく良くて、全員で吹くメロディラインのハモリが美しいのでおすすめ」(中村奈央)と、しっとりと織り重なるクラリネットの音が堪能できるJUJUの《やさしさで溢れるように》。大ヒット曲である、いきものがかりの《ありがとう》、西野カナ《会いたくて会いたくて》、AKB48《ヘビーローテーション》、そしてドリームズ・カム・トゥルーの懐かしの名曲《LOVE LOVE LOVE》などがずらりと並ぶ。まるで高校生の心のサウンドトラックのような選曲。新しいヒット曲も、往年の名曲も、どれも等しくクラリネットのしっとりとした、それでいて切なさとワクワクが入り混じったような音で、Colorful色に染まっている。

それぞれが中学の吹奏楽部時代にふとしたきっかけからクラリネットを手にし、のめりこんで今日に至る。全員が同じ音楽大学の器楽科(クラリネット専攻)に在学中の2007年、クラリネットアンサンブルコンクールに応募しようとしたのがきっかけで、カラフルは結成された。可愛くてポップなイメージのある彼女たちだが、クラシックの素養に裏打ちされた実力は保証済み。それはどんなジャンルの音楽を演奏するにも、アンサンブルの深みに滲み出ている。

「演奏したことがなかったり、クラシックに携わったことがない人には、なかなか出会う機会が少ない楽器だと思うので、どんどんクラリネットをみんなに知ってもらいたい。クラシックとポップスの架け橋になっていけたらなって思います」(澤目未樹)

「自分たちのオリジナル曲も作曲しているので、CDやコンサートで、もっと自分たちのカラフル色を出していきたいですね」(若林愛)

「今度はジャズやロックにも挑戦してみたい。みんなが『クラリネットでそんなこともするの?』って驚くようなことにも、どんどん幅を広げていきたいです。例えば→Pia-no-jaC←さんみたいに、クラシックを自分の色で表現できるアーティストさんが憧れ。『これを聴いたらカラフルだ』みたいな感じで、私たち独自のスタイルがもっともっと確立できたらなと思っています」(小田祐子)

まだ全員が20代のカラフル。普通の女の子の感覚を持ち合わせつつも、ジャンルを超えた音楽的広がり、その可能性は無限大だ。同世代にはもちろん、子どもから大人まで幅広く愛される彼女たちが見せる様々な色をぜひ、このアルバムから感じて欲しい。

8/21(日)15:00〜 ミニライブ&サイン会
タワーレコード渋谷店6F CLASSICAL FLOOR 
8/20(土)『第1回江古田クラリネット祭』
8/25(木)『love songsアルバム発売記念「カラフル女子会LIVE」』 二子玉川KIWA
8/27(土)『ブラスの祭典“ミュージック高崎ジャパン2011”』 高崎シティギャラリー コアホール 他

http://music.geocities.jp/colorful_clarinetquartet/

カテゴリ : インタヴュー

掲載: 2011年08月19日 15:52

更新: 2011年08月19日 16:01

ソース: intoxicate vol.93 (2011年8月20日発行)

interview & text : 山本拓