エレファントカシマシ 『MASTERPIECE』
デビュー24年・通算21枚目でなぜこのタイトルなのかは聴けば明らか。
エレファントカシマシ『MASTERPIECE』。
誰にもマネできない、というかマネしようもない、
とんでもない歌唱力とオリジナルすぎるにもほどがある
言語感覚を持つ不世出のロック・ヴォーカリスト、という側面。
そんな突出したヴォーカリストである自分が歌わなくても、
別にどこの誰が歌ってもすばらしいものとして誰にでも広く深く
届くような、美しく普遍的なメロディを生み出すソングライターとしての側面。
宮本浩次という音楽家には、その2つの顔がある、と僕は思っている。
乱暴に言うと、88年リリースの
1stアルバム『THE ELEPAHNT KASHIMASHI』から
94年リリースの7枚目『東京の空』までが、
主に前者のパワーでもって走っていた時期であり、96年の8枚目『ココロに花を』から、
後者がそれにとって替わった時期である……いや。ちょっとざっくり言いすぎだ、それは。
『ココロに花を』以前の作品にもそうした<普遍的な歌心>はあったし、それ以降の作品における宮本も、
十二分にとんでもねえヴォーカリストだし。えーと、何を言いたいのかというと、『ココロに花を』以前も、それ以降も、
時期によってそのふたつの武器の間で、左に寄ったり右に寄ったりしながら歩んできたのがエレファントカシマシだ、
とも言えるところもあると僕は思うのだが、通算21枚目にあたるニュー・アルバム『MASTERPIECE』は、
その両方が理想的なほどにすばらしく両立した作品である、ということです。
1曲目“我が祈り”からラストの“飛べない俺”まで、不世出のとんでもねえロック・ヴォーカリストが普遍的なメロディを
歌っているという、まさに<エレカシ最強ポイント>な11曲。なんでこんなことができたのかは、知りません。
ただ、長年このバンドのファンでいる己の経験に照らすと、今のエレカシは、宮本は、過去そう何度もなかった
絶好調期にいる、と言っていいと思う。まだの方、あるいはこのバンドからしばらく離れている方。今、触れましょう。
■New ALBUM……『MASTERPIECE』5/30 on sale!
■SONG LIST……
01.我が祈り
02.Darling
03.大地のシンフォニー
04.東京からまんまで宇宙
05.約束
06.ココロをノックしてくれ
07.穴があったら入いりたい
08.七色の虹の橋
09.ワインディングロード
10.世界伝統のマスター馬鹿
11.飛べない俺
【DVD】※初回盤のみ収録
・ワインディングロード-MUSIC VIDEO-
・東京からまんまで宇宙-MUSIC VIDEO-
・大地のシンフォニー-MUSIC VIDEO-
・約束-MUSIC VIDEO-
・穴があったら入いりたい -MUSIC VIDEO-
■LIVE……エレファントカシマシ CONCERT TOUR 2012 “MASTERPIECE”
6/1(金)、2(土)Zepp Tokyo
6/9(土)Zepp Nagoya
6/10(日)高知BAY5 SQUARE
6/17(日)Zepp Sapporo
6/23(土)新潟LOTS
6/24(日)Zepp Sendai
6/30(土)Zepp Fukuoka
7/1(日)広島CLUB QUATTRO
7/6(金)、7(土)Zepp Namba
※詳しくはHPにて
■PROFILE……エレフォントカシマシ
81年結成、88年デビュー。
宮本浩次・石森敏行・冨永義之・高緑成治という不動のラインナップからなるロックバンド。
21枚目のアルバム『MASTERPIECE』リリース後は、6/1のZepp Tokyoを皮切りに、9会場11公演の
全国ツアー、各地夏フェスの出演と2012年も精力的に活動中。
記事内容:TOWER 2012/5/20号より掲載