インタビュー

現在に至るシティー・ポップ男子の変遷をざっくりと紹介する6枚

 

浜田省吾 『君が人生の時…』 ソニー(1979)

当人としては不本意だったようだが、初期作品における彼は、まぎれもないシティー・ポップ男子。ビーチ・ボーイズ風のめくるめくコーラスワークが重なる愛奴時代の名曲“恋の西武新宿線”のリメイクなど、仮にナイアガラの構成員だったと言われても違和感のない佳曲がズラリ。

 

ナイアガラ・トライアングル 『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』 NIAGARA/ソニー(1982)

ジャンクのジャケから『LONG VACATION』を想起した人は多いはずだが、その翌年に発表された大瀧詠一、佐野元春、杉真理とのコラボ企画盤がコレ。“A面で恋をして”などサマー・ブリージンな美曲が満載だ。大御所が参加の〈Vol.1〉もぜひ!

 

NONA REEVES 『Choice II』 Billboard(2012)

90年代よりソウル風味のシティー・ポップ道を邁進中の彼ら。最新作はビルボードの80〜90年代ヒット曲のカヴァー集だが、ここで採り上げられたアース・ウィンド&ファイアのディスコ感は、ジャンクの諸曲にも通じるものがあるのではないかと。

 

UNCHAIN 『Eat The Moon』 Cloud Cuckoo Land/Style Missile(2012)

ブラック・ミュージックのグルーヴ感を採り入れたバンド・サウンドが特色の彼らは、歌を立たせることに意識的となるにつれて、〈シティー〉な匂いも纏うように。最新作では、ディスコもアーバン・ソウルもお手のものな極上のポップスを提示している。

 

さかいゆう 『How's it going?』 ARIOLA JAPAN(2012)

涼しげなクリスタル・ヴォイスとスウィート・ソウルなピアノ・ポップで外部仕事も多いシンガー・ソングライター。RHYMESTERの夏バムやcro-magnonのヴォーカル・アルバムなど、フィールドを選ばずフレッシュなシティー・ポップの風を吹き込んでいる。

 

(((さらうんど))) 『(((さらうんど)))』 KAKUBARYTHM(2012)

イルリメとTraks Boysが鳴らすのは、80sマナーのシンセやダンス畑のセンスが表出したビートと歌謡性を融和させた、ロマンティックなシティー・ポップ。洒脱なギター・カッティングとファンキーなブレイクが粋な“夜のライン”が、ジャンク好きには特にオススメ。

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2012年06月20日 18:01

更新: 2012年06月20日 18:01

ソース: bounce 345号(2012年6月25日発行)

ディスクガイド/土田真弓

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