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インタビュー

自身の音楽性の断片を見せてきた4枚のEPもプレイバック!!

 

『Hype - E.P. + REMIXES』 Goldtone(2010)

 

「Sally#Cinnamonとして活動していく覚悟を持った時に書いた、始まりの歌」だとSallyが語る初EPの表題曲は、どれもキャラ設定したうえで詞を書くという彼女にとっては自身の鏡。サウンドも、バンドの方向性を初期衝動で鳴らしたサイケデリックなディスコ・パンク・ナンバーだ。2コードで繊細な展開を見せる、Tomoya.Sのミニマル哲学が注入された“Morning grow”もここに収録。ラッセル・リサックは、リミックスで参加。

 

▼ラッセル関連の作品を紹介。

左から、ブロック・パーティの2008年作『Intimacy』(Wichita)、ピン・ミー・ダウンの2010年作『Pin Me Down』(Animalized)

 

 

 

『Stand by you - E.P. + REMIXES』 ワーナー(2011)

 

メジャーへ移籍した2作目は、前作でリミックスを手掛けたラッセルと初タッグ。スミス風の3分間ポップ、その名も“Pops”で共作とレコーディングを行っている。メインに置かれた“Stand by you”はスラップ・ギターが絶妙な跳ね感を演出するキャッチーな逸曲。ぶち上げエレクトロな80KIDZ、アコギやスティールパンの音色をチル感たっぷりに浮遊させたPepe Californiaをはじめ、リミックス群も震えるほど良い!

 

▼関連盤を紹介。

左から、スミスの84年作『The Smiths』(Rough Trade)、80KIDZの2012年作『TURBO TOWN』(Kidz.rec/KSR)

 

 

『Waterfall - E.P. + REMIXES』 ワーナー(2011)

 

ヴィジュアルとリミックスでトマト(主にサイモン・テイラー)と組んだ3作目。ラッセルとのコンビも継続されており、“Waterfall”は〈モルダウ〉を想定したという壮大なオーケストラル・ロック。弦楽隊風のギターがSallyの激唱と共に昂揚感を煽る。一方で、ビートルズ“Tomorrow Never Knows”的な……というか、Tomoya.Sも「構成上そうなってしまった(笑)」と話していたバンドにとっての異色ナンバー“Hellfly”にも注目だ。

 

▼関連盤を紹介。

左から、サイモンが所属するジョニー・コンクエストの2003年作『Everybody's Happy』(BEAT)、ビートルズの66年作『Revolver』(Apple/EMI)

 

 

『Decadence - E.P. + REMIXES』 ワーナー(2012)

 

アルバム直前に投下された4作目については、メンバーいわく「泣きながら踊れ」。Heavenstamp前夜から存在したタイトル曲の原題は〈Loveless〉。〈愛なき世界〉に対する不安定な心情を不協和音混じりのいびつなポップネスで表現しつつ、間奏にはラッセルの発案による小気味良いギターの掛け合いも。トライバル・サイケなアニマル・コレクティヴ製からいきなりトバされる、DJ UppercutやzAkも集結したリミックス群も◎!!

 

▼関連盤を紹介。

左から、アニマル・コレクティヴの2009年作『Merriweather Post Pavillion』(Domino)、UCの2005年作『Street Revolution』(W+K東京LAB)

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2012年06月27日 18:00

更新: 2012年06月27日 18:00

ソース: bounce 345号(2012年6月25日発行)

ディスクガイド/土田真弓

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