MO'SOME TONEBENDER 『Strange Utopia Crazy Kitchen』
どこまでもジャンクでハードで美しい。
MO'SOME TONEBENDERとロックンロールの極致
<常時レッドゾーンまで振り切れっ放しのハードコアなバンド・サウンドの爆発力>も<ポップだったり冷徹だったりするシーケンス・アレンジ>もその音像の中にゴロッと(しかもギリギリのバランスで)配置した、ジャンクでパンクでブルータルなロックンロール。それでいて、触れる者すべての心を深々とえぐる切れ味と同時に、誰もが見とれ戦慄するほどの美しさすら秘めてしまっている、磨き上がった刃の如き轟音の極致。
<音楽は素晴らしい>とか<ロックには強烈なパワーがある>とかいった命題を証明してみせるためでもなければ、困難な問題山積みの日本へのプロテスト・ソングでも、嫌なことを頭から全部ぶっ飛ばしてアゲ倒して踊り明かすためのパーティー・ロックでもない。我と我が身を顧みず、ひたすらロックンロールの彼方目がけてぶっ飛んでいくスピード感と迫力が、リスナーの中のロックンロールを揺り起こす。それがMO'SOME TONEBENDERだ。
サポート・ドラムに水野雅昭(ex.SPANK PAGE)を迎え、百々和宏/藤田勇/武田靖典の長年の3ピース編成を崩してまで極限の音を求めた渾身の名盤アルバム『STRUGGLE』から約1年7ヵ月、モーサムから届いた新作『Strange Utopia Crazy Kitchen』。警報の音色が奏でるドレミ音階&鼓膜震撼級のディストーションがせめぎ合うその向こう側に真っ白に輝く悦楽の地平が広がる“Shining”、明け方の街を歩く孤独と疎外感をデジタル16ビートと熾烈な爆音パンクのコントラストに託した“happy new year”、極彩色コーラスが飛び交うエレポップ“bone head dandy”。ダルでサイケな退廃美“Beach Side Moon”。およそ2012年日本のロック・シーンにおいて、<ロックンロールはどこへでも行ける>というフリーダムな躍動感と<ロックンロールはどんなレベルまで行ってしまうのか?>という畏怖を、その音一発でここまで鮮烈に示すことができるのはモーサムだけだ。
■New ALBUM……『Strange Utopia Crazy Kitchen』 Now on sale!!
■SONG LIST…
01.Door
02.Shining0
03.Cat park
04.Punks is already dead
05.communication
06.happy new year
07.farewell party
08.24 hour fighting people
09.bone head dandy
10.ElectBoys
11.Beach Side Moon
12.Metaluca
13.Anywhere(But Here)
※初回盤DVD収録楽曲
今年4月に都内某所にて行われた50名限定シークレットLIVEの中から下記楽曲を収録。
01.introduction(OUTDOOR~Young Lust)
02.カム
03.Metaluca
04.NO WAY CITY
05.L.O.V.E.
06.Shining
07.TIGER
08.凡人のロックンロール
09.BIG-S
09.ハレルヤ(THE DEADS)
10.DRUM SONG
11.ラジカルポエジスト
12.HigH
13.DUM DUM PARTY
■PROFILE……MO'SOME TONEBENDER(モーサム・トーンベンダー)
97年にそれぞれ福岡でバンド活動を続けていた藤田勇、百々和宏、武井靖典の3人が集まり活動開始。音楽的志向性も様々な3人が掲げた当初の目標は最初の一音で周りの景色を変えられる音を出すということ
ただひとつ。今夏も各地FES に出演後、アルバムを携えて「Strange Utopia Crazy Kitchen Tour」を行う。
記事内容:TOWER 2012/7/20号より掲載