INTERVIEW(3)――30年目を迎えたいまが圧倒的におもしろい
30年目を迎えたいまが圧倒的におもしろい
――僕は、スタレビの皆さんがリスナーに世界の素晴らしい音楽を紹介しようとしている姿にリスペクトを抱いているひとりですが、これってサーヴィス精神の表れなんでしょうか?
「それはね、〈もし俺の作った音楽を好きなら、俺がおもしろいと思う音楽が他にもたくさんあって、良かったら聴いてみない?〉って気持ちからですよ。ところが、スタレビを知らない人たちがまだまだたくさんいるわけで。世の中が何を欲しているのかわからない。それでも、STARDUST REVUEという名前で買ってくれる人たちに対してはものすごく自信があるわけ。なぜなら僕がスタレビの魅力をいちばんよく知っていると思うから。スタレビの曲を知っていて集まってきてくれた人になら、これもあれもあるよ、って出したくてしょうがなくなっちゃう」
――何というか、兄貴キャラですよね。
「そうでもないけどなあ。ただ自分に自信がないから、僕らを知らない人には何も言えなくなってしまう。〈あんた何者よ?〉って言われるのが常だからね(笑)。ホントにビビリなんですよ。前に小田(和正)さんのライヴにゲストで呼んでもらった時も、〈お前、あれだけライヴやってて、なにいまさら緊張してんだよ〉って笑われて。ところが、僕は自分たちのライヴでは全然大丈夫なんですよ。それは彼らが僕らを観に来ていることがわかっているから。トチってもちゃんと説明できるし。でも小田さんのライヴでは、僕はどうすれば役に立てるんだろうか、あるいはスタレビを代表してここに来た僕は何を伝えられるんだろうかと考えてしまう。で、結局、歌をトチったりして小田さんに〈リハのほうが良かったな〉って言われちゃうんだけど(笑)」
――(笑)。
「それでも、まだそれを楽しんでいられるからいいよね。〈俺はこんなはずじゃない!〉って思うような性格だったらキツイはず。だから、20年目の時よりも30年目を迎えたいまのほうが圧倒的におもしろいと思えているし、お客さんに対する自信もちゃんと高まっていますよ。お客さんがスタレビを見る角度もちゃんとピッタリ合っているような気がしてならないんだよなあ」
――目線がバッチリ合っている感覚はあるわけですか。それはいまやろうとしていることと、相手が求めていることにブレがない、ということの証明なんでしょうね。
「いつからそうなったのかはわからないけどね。いまこうやってお話をさせてもらいながらこの10年を振り返って、いろんな出来事が重なっていまに繋がっているのは確かなこと。だからね、僕はいまでもSTARDUST REVUEってバンドがおもしろくてならないの」
――まだまだ発展途上にあると。
「例えば、僕らはよく〈どうやったらバンドが長続きするんですか?〉って訊かれるけど、そんなこといままで全然意識したことがない。答えは簡単なことで、〈辞めなきゃいいんだ〉と。逆に僕はいろんな人たちに質問したいくらい。〈何が嫌で辞めたんですか?〉って。僕には辞める理由がなかったんですよ、これまでずっと。バンドを続けるってそんなに難しいことじゃない気がするんだけどなあ」