右肩上がりのディスコグラフィ→
【前史】2009年に研修生となった佐藤以外の6名は、〈ハロプロ エッグ オーディション2004〉で合格したハロプロエッグの生え抜き! 2007年には同期のTHE ポッシボーや(後の)スマイレージ、後輩の真野恵里菜や吉川友らと初のエッグ単独公演を行って脚光を浴びている。それ以前から古川はともいき・木を植えたい(後に森と佐保も加入)でも活動し、仙石は音楽ガッタスの一員としてデビュー。佐保もしゅごキャラエッグ!、あぁ!に抜擢されるが……結果的に7人はハロー本隊入りすることなく研修を修了。2011年にアップフロントガールズ(仮)を結成、そこから改名して一歩を踏み出すのだった。
▼関連盤を紹介。
左から、ともいき・木を植えたい“みんなの木”を収めた『ハロー!プロジェクト スペシャルユニット メガベスト』、音楽ガッタスの2008年のシングル“Come Together”、あぁ!“夢と現実”を収めた『プッチベスト10』(すべてzetima)、しゅごキャラエッグ!の曲を含む編集盤『しゅごキャラ! ソング♪ベスト』(ポニーキャニオン)
“Going my↑”
初オリジナル曲にして初のシングル。逆境をポジな上昇志向に転換する初期設定を明快に示したナンバーで、「エッグ時代からの彼女たちの歴史からおさらいしていただけると、さらに味わい深く聴けると思います」(michitomo)という歌詞もポイント。カップリングはメロン記念日“お願い魅惑のターゲット”ののナイスなカヴァー。
“バレバレI LOVE YOU”
「比較的ハロっぽい感じというか、アップテンポの直球アイドルソングというイメージで作りました。作詞のNOBEさんにも〈キュンとする可愛い感じ〉でお願いしました」(michitomo)という表題曲は、ラモーンズのアレを思わせる純情ポップンロール。“Rainbow”も表情豊かなラヴソングだ。
『アッパーカット!/夕立ち!スルー・ザ・レインボー』
7人の勢いを加速させた3枚目のシングル!「初めて作詞したので、NGなら他の方に書いてもらうという保険付きだったのですが、無事採用されて良かったです(笑)」と語るPandaBoY製の“アッパーカット!”は、ボクシング仕掛けの爆音推奨チューン。fu_mou作の“夕立ち!スルー・ザ・レインボー”と共にエモい〈らしさ〉を確立することに。
“メチャキュン♡サマー ( ´ ▽ ` )ノ”
4枚目のシングル。michitomoいわく「夏×女子高生×アイドル」という表題曲は、青春ムードが眩しい〈夏の日の2012〉。一方、「“走れ!”的な曲をアプガでやっちゃえ〜みたいな(笑)」とぶっちゃけるカップリングの“サイリウム”は、ファンとメンバーが会場で一体になる様子を思い描いて生まれた歌詞と、それに寄り添う幻想的な意匠が感動的すぎる。
『なめんな!アシガールズ/マーブルヒーロー』
足軽の気概で臨む“なめんな!アシガールズ”はy0c1e製の和風ドラムンベース。一方の“マーブルヒーロー”は「マーブルチョコレートて7色だなーって思ってwikiを見たら〈マーブル〉は〈おはじき〉〈色のついた変わり玉〉という意味があるらしく、UUGに通じる気がしたので、アメコミの〈マーヴル・スーパーヒーローズ〉にもじってみました」(PandaBoY)という戦隊モノ。“アッパーカット!”の一節や自己紹介も巻き込む疾走ぶりが痛快!
“End Of The Season”
友愛を歌うカップリングの“Beautiful Days!”も合わせ、RAM RIDERと初手合わせした第6弾シングル。スティールパンの音色に夏の残り香も漂うフューチャー・ポップ仕立てで、ユニゾン主体の歌からも上品なノスタルジーがふんわり。彼女たちには逆に異色の仕上がりかも?
『UPPER ROCK /イチバンガールズ!』
michitomoの手による強力な第7弾シングル。LMFAOを意識したようなEDMスタイルの“UPPER ROCK”は「とにかくカッコよく尖らせて、クラブでも普通にかけられるようなミックスにしてます。ここまでキックをバッキバキにしてベースを唸らせて歌の小さめなアイドルはいないんじゃないでしょうか(笑)」と語る通りの音像が凶暴! また、メロコアをやる予定が「作ってるうちにだんだん昔の血が騒ぎ出して、最終的に凄まじくスラッシュ・メタルな領域まで行ってしまった(笑)」という“イチバンガールズ!”も暴れん坊!!
カテゴリ : インタビューファイル | タグ : 女性アイドル
掲載: 2012年12月05日 18:00
更新: 2012年12月05日 18:00
ソース: bounce 350号(2012年11月25日発行)
構成・文/出嶌孝次