インタビュー

上間綾乃 『ニライカナイ』

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<生きていること>を愛おしく思った、人との繋がりがあればこその1枚



ニライカナイとは理想郷のこと。命が生まれ、再びそこへ帰って行く、海の遙か彼方にあるとされている神の島─。そうした言葉をタイトルにした上間綾乃の2ndアルバムは、一足早くリリースされたシングル『ソランジュ』にも感じた、大いなる命のサイクルに思い至らされる作品だ。

「やりたいことは次々に出てくるんですけど、今回は自分が今伝えたいと思っていることをまずオリジナル曲で伝えて、古くから伝わる民謡を今の視点で生まれ変わらせて伝える、ということに力を注ぎました。民謡というと伝統、保存、みたいなイメージもありますけど、進化っていうことも大事だと思うので。培われてきたものを継承しながら進化もさせたい、そういう気持ちが強かったです」

ライブでの人気曲でテンポもオリジナルとはガラリと変えた”ヒヤミカチ節”と、もはやロックと言ってさしつかえない”新川大漁節”。民謡という概念を覆すこの2曲もさることながら、沖縄スタイルを歌ったとも思える自身の作詞による”やんどー沖縄(うちなー)”、武満徹・作詞作曲の楽曲をウクレレとハーモニカをメインにアレンジした”明日ハ晴レカナ、曇リカナ”など、収録曲のカラーはさまざま。心を言霊に乗せて聴く人の心までまっすぐに届ける、そんな、歌い手の力量あればこその歌が立ち並ぶ。

「今回は本当に私のなかのいろんな引き出しを開けてもらったような気がします。"私、なぁんで、こういう歌い方になったかなぁ"って思う曲もたくさんあったし(笑)。アレンジをしてくれる人、楽器を演奏してくれる人、人との出会いが化学反応を起こしてくれた結果だなぁって。そんなことも含めて"生きていること"を愛おしく思ったアルバムでした。人との繋がりがあればこその1枚というか」

楽しい、悲しい、寂しい、やさしい…。「生きているなかで誰もが出会う気持ち」が詰まった『ニライカナイ』で、上間綾乃はまた一歩、大きく前に歩みを進める。

 

■ALBUM『ニライカナイ』 now on sale!

 

 ■Song list
01.Overture-命(いぬち)、生(ん)まりとてぃ-
02.ソランジュ
03.里(さとぅ)よ
04.ゆらりゆらら 
05.Interlude-躍動-
06.ヒヤミカチ節(民謡) 
07.新川(あらかわ)大漁節(民謡)
08.やんどー沖縄(うちなー)   
09.明日ハ晴レカナ、曇リカナ 
10.ニライカナイ  
11.あなたのもとへ
12.あいうた

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掲載内容:2013/9/10号掲載

カテゴリ : brand new!!!

掲載: 2013年09月09日 18:00

ソース: 2013/9/10

TEXT:前原雅子