インタビュー

オーセンティック・ヒップホップの新しい波とB.D.周辺の繋がり



例えば、2013年を代表するニューカマーとなったFla$hBackSや、多作家のISSUGIに加えてMr. PUG、仙人掌もソロ作を発表したMONJUと、彼らやS.l.a.c.k.が属するDOWN NORTH CAMPの面々。それにPRIMALや新レーベルの動向も気になるMC漢といったMSC周りの新たなアクションや、藤沢のDINARY DELTA FORCEらDLIP勢など、日本のヒップホップ・シーンを見渡せば、オーセンティックの波が改めて勢いづいていることに気付く。

そんな状況のなかで、デビュー前からNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのメンバーと交友を深め、宇田川町や池袋を根城にしてきたB.D.の活動に注目が集まるのは必然だろう。THE BROBUSの頃からハードコア流儀を貫き、サンプリング・ミュージックのフレッシュネスに乗せてストリートのざわつきを表現してきた彼のスタイルは、後続にも少なからず影響を与えてきたはずだ。そのためか近年は客演仕事も目立ち、『BALANCE』に参加したJASHWON率いるBCDMGのリーダー作では一足先にfebb(Fla$hBackS)との邂逅を果たし、盟友のVIKNやMIKRISの近作にも助力。THE SEXORCISTで繋がりを持つONE-LAWとの絡みも忘れ難い。本場NYではプロ・エラを筆頭に90年代的な音をモダンに鳴らす世代が多く台頭しているいま、まさに時代の〈KAZE〉が吹いているのかもしれない。



▼関連盤を紹介。
左から、Mr.PUG from MONJUの2013年『P-SHOCK』(DOGEAR)、PRIMALの2013年『Proletariat』(Pヴァイン)、DINARY DELTA FORCEの2013年作『THE 9』(DLIP)、、BCDMGの2013年作『Ordinary Life』(VYBE)、VIKNの2013年作『CAPITAL』(Pヴァイン)、ONE-LAWの2013年作『MISTY』(FELLOWS/Pヴァイン)

 

カテゴリ : インタビューファイル

掲載: 2014年01月23日 16:30

更新: 2014年01月23日 16:30

ソース: bounce 362号(2013年12月25日発行)

文/北野 創

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