映画 『女子ーズ』 福田雄一監督インタビュー
[ interview ]
ユルい笑いで日本中をニヤニヤさせているヒットメイカー、福田雄一の最新作は、ありそうでなかった戦隊モノ。その名も「女子ーズ」は、桐谷美玲、藤井美菜、高畑充希、有村架純、山本美月と旬な女優が集結して、デートやバイトの片手間に怪人達と闘いを繰り広げる。かつて「勇者ヨシヒコ」や「コドモ警察」で見せた脱力パロディと女子力満載の本作について、福田監督がその舞台裏を語ってくれた。
女性の方が観て<わかる!わかる!>って楽しんでくれたらいいなって思ってます
―戦隊モノといえば<紅一点>というイメージがありますが、なぜ全員女子でいこうと思われたんですか?
「<戦隊モノなのにまちまちにしかメンバーが集まらない>っていう設定が面白いんじゃないかと思ったのがきっかけなんです。どういうメンバーだったらそうなるだろうと考えた時に、全員女子だったらそうなるんじゃないかと。女子の友情って薄っぺらいじゃないですか、怖い発言ではありますが(笑)。うちの奥さんもそうですけど、11時に友達とランチの約束をしているのに10時50分になっても顔洗ってたりする。<遅れるやん>って言ったら<あ、みんな遅れるから。なかには来ない人もいるし>って、男じゃ考えられないですよ」
―確かに。映画では男(=怪人)は地球征服のために必死なのに、女子ーズはプライベート優先で、その温度差が笑いになっていますね。
「そこを見せたかったんです。女子ーズが怪人に<お前みたいなの、カレシにするの絶対ムリ>って言うじゃないですか。地球征服のために遠い星からやって来た怪人を、一般の男子としか見てないんですよね。それで<お前、臭いんだよ>とかって個人攻撃する。そりゃ怪人も傷つきますよ」
―可愛い子から言われたらなおさらですよね(笑)。映画では主役5人の女子トークが炸裂していましたが、女優さんたちにボケとツッコミの笑いをやってもらうにあたって、どんな演出をされたのでしょうか。
「必ずしも笑いが出来なくていいと思ってました。だって、男目線で見て笑いが出来る女って引きませんか?(笑)。女優さんは笑いに関しては8割できていれば良いと思っていて、可愛さを残して笑いになっているのがベストじゃないかと。ただミッキー(高畑充希)は以前、舞台をやった時に笑いに関して鍛えたので今回は押さえとしてツッコミ役に据えたんですけど、基本はみんな可愛く映ってればいいと思ってました」
―最後に女子ーズの原動力=<女子力>のスゴさについて、監督はどう思われますか?
「やっぱり、自己中心的なところじゃないでしょうか。男は自分を犠牲にしなきゃいけない時があるけど、女は絶対、我を通すでしょ。子供を産む側の強さたるやスゴいなと。まあ、うちの奥さんだけかもしれないですけど(笑)。そのあたり、結構、男目線で作った作品なんですけど、公開時には女子高生が友達と一緒に観て楽しんでくれてたりしたみたいで、それは嬉しかったですね。女性の方が観て<わかる!わかる!>って楽しんでくれたらいいなって思ってます」
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<ストーリー>
彼女たちは選ばれた。片手間でも最強の戦隊女子ーズとしてー恋に仕事に美容にヤボ用、なにかと忙しい女子たちが、地球の平和を守ることができるのか!?
光と闇が一心同体であるように、この世に悪がある限り、必ず現れる正義の味方。世界征服を企み、地球に襲いくる邪悪な怪人を倒すため、“名字に色が入っている”とうただ一つの理由で司令官チャールズの元に集められた5人の女たち。不本意ながら“女子ーズ”となった彼女たちは、いきなりの展開に疑問を感じながらも、5人が揃ったときに繰り出す無敵の必殺技“女子トルネード”を武器に怪人との戦いに挑む!しかし、恋に仕事に、美容にヤボ用と、なにかと多忙な女子たちはなかなか揃わない。なぜなら女子とは、そういうものだからである…果たして、次々と現れる怪人たちを倒し、片手間で世界の平和は守られるのか!?
<キャスト>
桐谷美玲、藤井美菜、高畑充希、有村架純、山本美月
大東俊介、安田顕、岡田義徳、黄川田将也、皆川猿時、きたろう/佐藤二朗
<スタッフ>
監督・脚本:福田雄一
記事内容:TOWER+ 2014/11/10号より掲載