桂文珍 国立劇場10日連続独演会レポート!
桂文珍 国立劇場10日連続独演会
Reported by &ツルコ
この4月6日から15日まで、国立劇場の大劇場で、上方落語の大看板・桂文珍が東京で初の10日間連続独演会を行いました。2008年に、なんばグランド花月で10夜連続独演会を行ったときには30分でチケットが完売だったそうですが、東京でのこの独演会もやはり即完売だったとのこと。平日の場合は夜の公演が普通なのですが、今回は全日15時からの開演という初の試みを敢行。でもあっという間に完売してしまったそうですから、さすがの人気ぶりですね。この10日間ネタ出し(演目が決まっている)、日替わりで豪華なゲストが出演する、“人類史上初”の大独演会の初日公演に伺いました。
普段は歌舞伎や文楽などの公演が行われている大劇場。いつも裏の演芸場か、お隣の小劇場のほうで行われる落語会しか行っていないので、広さに圧倒されます。広い広い舞台に、屏風も高座台もなく、座布団が1枚。たった一人の芸だけで勝負する、いさぎよいほどシンプルな空間。それに対して、花道がない客席には最大数の1600人。まさに1600対1って感じです。
開口一番は、文珍の弟子の桂楽珍。これだけの大会場のトップバッターはさぞ緊張したことと思いますが、上方噺の「手水廻し」を軽快に演じました。
そしてにこやかに登場した文珍の初日1席目は、芝居好きな丁稚の定吉が仕事をさぼって芝居見物をしていたのがばれて…という上方落語の「蔵丁稚」。
本日のゲストは、柳家花緑で、学校寄席の長いまくらの後で、「権助提灯」を。
中入り後には、上方から“女道楽”内海英華が、三味線で唄や都々逸を披露。
そして再び文珍が登場し、もとは上方落語の「らくだ」を、たっぷりと。人のいいくず屋さんが、お酒が入るとどんどん人格が豹変していく様子が圧巻! 初日から、聴きごたえのある芸を堪能させてくれました。
初日ということで、この会場が普段はお芝居を上演している場所だからと、忠臣蔵の「四段目」を題材にした「蔵丁稚」と、歌舞伎でも演じられる「らくだ」の2席を選ばれたようです。
大阪での連続公演は、全高座がDVDとして発売されているので、その歴史的な落語会を楽しむことができますが、ぜひ今回の東京公演も、映像化を期待してます!