村上春樹、最新長編「街とその不確かな壁」文庫化
村上春樹の最新長編「街とその不確かな壁」が、新潮文庫より刊行される。
村上春樹の「秘密の場所」へ――17歳と16歳の夕暮れ。川面を風が静かに吹き抜けていく。彼女の細い指は、私の指に何かをこっそり語り掛ける。何か大事な、言葉にはできないことを……。高い壁と望楼、図書館の暗闇、古い夢、きみの面影。自分の居場所はいったいどこにあるのだろう。「古い夢」が奥まった書庫で紐解かれ、呼び覚まされるように、封印された「物語」が静かに動き出す。
村上春樹は、1980年に中編小説「街と、その不確かな壁」、さらに1985年にはその主題を発展させた壮大な長編小説「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」(谷崎潤一郎賞受賞)を発表した。幻想世界と冒険活劇の2つのストーリーが展開するこの長編に描かれたのが、「世界の終り」の「街」だった。人々が影を持たない「謎めいた街」……。この小説は世界中の読者を魅了し、今も多くのファンが愛読している。今回文庫化される「街とその不確かな壁」は、40年の歳月を経て、村上春樹がその文学的原点である「街」に立ち戻り、新たな物語を構想し、完成させた渾身の小説となっている。
▼書籍情報
村上春樹
「街とその不確かな壁」
カテゴリ : タワーレコード オンライン ニュース
掲載: 2025年03月19日 19:25