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第6回 ─ 日本ザリガニ秘密の漁場は…

連載
砂原良徳の1ドル=360円
公開
2002/04/11   01:00
更新
2002/08/21   12:06
ソース
『bounce』 230号(2002/3/25)
テキスト
文/砂原 良徳

そう、1971年まで1ドルは360円でした。思い出インフレ?……も、今月最終回!

1ドル=129円07銭~129円10銭
1円04銭円高(前日比)
東京外国為替市場円相場(3月15日、17時現在)

3月15日 好調な米経済の影響で日本でも株価が上昇していることから、ドル円は、長くとどまっていた132~135円台から戻し、125~130円台前後にしばらく落ち着きそうだといわれています。〈3月危機〉説はどこにいったのでしょうか。逆に、〈いよいよ景気は底を打ったのでは?〉とされてるのは、こりゃ、何だ!?(編集部)

突然ですが僕は環境庁のレッドリストに載っている〈絶滅の恐れがある種〉を約200匹ほど飼育しています。というか正確にはしていました。それはザリガニです。ザリガニといってもみなさんよくご存知のアメリカザリガニではなくニホンザリガニという日本ざりがにです。もちろん日本にしか生息していないものです。それを、小学生のとき飼っていました。小学生っていうのは昆虫を採ったり、魚釣りをしたりしますよね? 小学生じゃなくてもしますけど、しない小学生もいますよね? その一環としてザリガニを獲りに行ってたんです。

めちゃくちゃ簡単にたくさん獲れました。自分の背丈くらいの草の生えた坂を下っていくと、その川だか沢だかがありました。枯葉がたくさんあるところを笊を使って下からザックリやると、獲れるんです。本当に獲れるんです。一発で獲れるんです。ほんと簡単に獲れます。100匹とか獲れるんです。もちろん秘密の漁場ですからクラスのみんなには教えません。荒らされると嫌だし(でもクラスメイトのひとりには秘密のクワガタ採り場と引き換えに教えました。ひと蹴りでミヤマ3匹にはビビリました)、そこは隣の学区だったので他校の生徒に会うと即戦争、なんてリスクもあったのです。

ですが、そもそも僕はザリガニを飼育したかったわけではありませんでした。最初の収穫のあと家に持ち帰り、初めて飼育しなければならないことに気づいたのです。たまたま家には水槽もあったので、小さなビンと石を沈めて、酸素も供給して……。すると数日後、部屋の床を歩行中のザリガニを発見、その数日後タンス近辺でも発見、さらに数日後ソファーの下で死亡したのを発見。ザリガニは酸素の供給チューブを伝って脱走していたのです。解決方法は見つからず、飼育は断念しました(飼育難しいんだよね)。水槽に残ったものはもとの川だか沢に戻しました。

いまから数年前、北海道に行ったときにその漁場を訪れるチャンスに恵まれました。十数年も経つのに、周辺に当時と変わった様子はありません。自分の背丈くらいの草を掻き分けて坂を下っていくと、その草の向こうにはなんと大きな新しい道路が走っていました(アウトバーンみたいなやつ)。しかもよく考えてみると、それはいま自分が車で走ってきた道だったのです。レッドリストも頷けるなと少し思いました。なんだかちょっとさみしいタイムトリップでもしたような気分でした。でも、僕はもう一か所、もっともっと秘密の漁場を知っているのです。そこには当時よりさらに多くのニホンザリガニが生息していると考えられます。根拠もあります。

あそこは本当に秘密にしておこう。

残念! ですが、〈1ドル=360円〉は今回で終了です。連載を始めて半年が経ちましたが、1ドル=360円が達成できなかったため、今回をもって終了いたします」とは、砂原さんから。これまで読んできてくださったみなさん、本当にありがとう!/砂原さんは、例えば今月の文章にある北海道の大きな新しい道路のことを〈宗男ロード〉って書いたりなんか、絶対にしませんが、でも、砂原さんがこの連載で話したいと思っていたこと、よかったら考えてみてくださいね/砂原さん、今秋にフル・アルバムをリリースするかもですよ!