
とりあえず前置きはヌキにして、やっぱり夏はホラー(夏ホラ!)。これさえあればビールもクーラーもいりません(若いショーコ!)。そんなわけで、今月と来月、2回に分けてホラー映画の特集をお届けしたいと思います。そこで今月は、新作DVDのなかからモダン・ホラーの名作群をご紹介。
思えば70年代頃までは〈ホラー〉というよりも〈オカルト〉映画という呼ばれ方のほうが一般的でした。まだ心霊、怪奇色が強かったからですが、やがて恐怖の範囲が、異常者、怪物、宇宙生物……と拡がっていき、エンターテイメント色が強くなるにつれ、〈ホラー映画〉となっていく。そんな流れのなかでひとつのマイルストーンとなったのが「13日の金曜日」でした。いわくつきのキャンプ場を舞台に、ティーンエイジャーがイチャついては惨殺される――本作は以降のシリアル・キラー物の雛形であり、ジェイソンという強烈なキャラクターを作り出しました。ちなみに監督のショーン・S・カニンガムは、「エルム街の悪夢」「スクリーム」のウェス・クレイヴン監督が世に出るキッカケとなった「鮮血の美学」をプロデュースした人。今年秋には、ジェイソンとフレディが対決する最新作も予定されていて、これはどっちも負けるわけにはいきませんな。
で、この〈13金〉こそ〈スプラッター映画〉のルーツのひとつなのですが、そこにハリウッド的娯楽性を持ち込んで、スタイルとして完成させたのが「スパイダーマン」を撮るまでに成り上がったサム・ライミ監督の「死霊のはらわた」でした。そして、ライミとは逆に、哲学的に、そして生物学者のような冷ややかな眼差しで恐怖を解剖したのがデヴィッド・クローネンバーグ。謎のビデオに映しだされた映像に憑りつかれ、やがてビデオに〈喰われて〉しまうという「ビデオドローム」は、日本の生んだホラー記念碑「リング」の遠い伯父さんか? そしてその「リング」の〈次〉として劇場で大ヒットしたのが「呪怨」です。いってみれば幽霊屋敷ネタなんですが、通常の3倍速くらいのペースで次々訪れるショッキング・シーンのエゲツなさ!! このジェットコースターぶりが気に入られハリウッドでリメイクが決まったのですが、権利を買ったのがサム・ライミっていうのもうなづける話ですね。というわけで今月はこれくらいで。あ、いま後ろ振り向いちゃダメですよ(お約束!)。