「バッド・アス・シネマ」はいわゆる〈ブラックスプロイテーション映画〉の熱く短い歴史を、代表作の映像と関係者の証言で綴った2002年イギリス/アメリカ合作のドキュメンタリー映画。タイトルは言うまでもなく、このジャンルの創始的映画「スウィート・スウィートバックス」の原題「Sweet Sweetback's Baad-asssss Song」のモジリ。その監督メルヴィン・ヴァン・ピーブルズに、ジャンルの女王=パム・グリア、今なお凛凛しい風貌のフレッド・ウィリアムソン、珍しいところでは2パックの母親(かつてブラック・パンサー党に在籍していた活動家)なども登場。それぞれの、こういう作品にありがちな愛情や懐古には終わらないシビアな発言が貴重だ。そして97年、パム・グリアを迎え入れた「ジャッキー・ブラウン」での〈ニガー〉連発で、同ジャンルへの再評価をうながした張本人であるクエンティン・タランティーノ監督の、〈喋りたらんティーノ〉な語り口がもうひとつの見どころ。「黒いジャガー」でのテーマ曲の使用法にまでツッこむ姿勢に拍手&苦笑。
▼文中に登場したDVDを紹介。