MACEO 『Us』 People/ユニバーサル(1974) フレッド・ウェズリーと共にJBのホーン・セクションで花形だったサックス奏者、メイシオ・パーカーのリーダー作。これ以前もオール・ザ・キングスメン、ファースト・ファミリーとしても看板を張ってきた人だから、JB'sとは違ってアルバムの作りはソリストとしてのメイシオにより焦点が当てられている。ジェニファー・ロペス“Get Right”のネタとして人気が再燃している“Soul Power '74”はここに収録。(JAM)
VARIOUS ARTISTS 『James Brown's Funky People (Part 3)』 Polydor オリジナルJB'sを従えたボビー・バードの蔵出しダイナマイト・チューン“Doin' The Do”やスウィート・チャールズのシングル・オンリー曲“Hang Out & Hustle”などを収め、楽曲の稀少さではシリーズ中最高となった第3集。マーヴァ、リン、ヴィッキーの姉御肌三番勝負も手軽に楽しめるし、AABBやディー・フェリス・トリオらの軽快で真っ黒なインストもグルーヴィーだ。(出嶌)
BOBBY BYRD 『Bobby Byrd Got Soul』 Polydor JBとの激しい掛け合いで知られるボビー・バード。スマッシュ~キング~ブラウンストーンの3時代(63~73年)からの楽曲を未発表モノも含めて編纂したこのベスト盤は、ファンキー・ソウルの何たるかを教えてくれる文字どおりの力作。大半のプロデュースはJBが務め、ボビーのゴリ押しのような歌に圧倒されまくる。エリックB&ラキムらが使った超定番ネタ“I Know You Got Soul”も当然収録。(林)
MARVA WHITNEY 『It's My Thing』 King/Soul Brother(1969) リン・コリンズに比べると一般的な認知は今ひとつだと思うが、JBレヴューに67年からフィーチャーされ、その後押しでソロ・デビューをも勝ち取った彼女はまさにJBファミリーのファースト・レディーと言える女性シンガーである。ただ、そういうデビューに至るまでの背景が眩しいだけでなく、歌い手としての実力も折り紙付き。改めて注目してほしい才女のファースト・アルバムだ。(JAM)
THE J.B.'s 『Doing It To Death』 People/ユニバーサル(1973) 彼らのこのセカンド・アルバムは、どこを切っても脂の乗り切ったJB流ファンクが堪能でき、歴史的重要度も高い圧倒的な作品集である。ブラック・チャートで首位になったタイトル曲をはじめ、レパートリーはどれもJB流儀の粋と言えるもの。精緻さとダイナミズムとが共存する演奏は、73年というこのタイミングだからこそ生まれ得たひとつの奇跡とも言えるものだ。(JAM)
VICKI ANDERSON 『Anthology : Mother Popcorn』 Soul Brother JBレヴュー屈指のソウル・シスターであるヴィッキー・アンダーソン。60~70年代のシングルを中心に集めたこのアンソロジーには、JBとの共演や旦那のボビー・バードとのデュエットも含めたハイテンションなソウルが目白押し。ルーファス&チャカのヒット曲をカヴァーした“Once You Get Started”での激唱も凄まじい。このファンキー遺伝子は娘のカーリーンにも受け継がれている。(林)
LYN COLLINS 『Check Me Out If You Don't Know Me By Now』 Polydor/ユニバーサル(1975) JBの合いの手も絶妙なファンキー・ソリッド・ソウル“Rock Me Again & Again & Again & Again & Again & Again”(長い!)で知られる2作目。メロが某“Hey Jude”に激似のメロウ佳曲“To Each His Own”をはじめ、オージェイズやジーン・ナイトのカヴァーも独創的。彼女の歌唱からさりげなさや優美さを引き出した多彩な作りはもっと評価されるべき。(出嶌)
VARIOUS ARTISTS 『James Brown's Funky People (Part 2)』 Polydor ピープルなどJBプロの楽曲を集めたコンピの第2弾。ヒット集の〈Part 1〉に対し、こちらはシングル・オンリー曲を中心にレアグルーヴ~ヒップホップ的な視座を持って選曲されている。リン・コリンズによるアイザック・ヘイズのカヴァー“Do Your Thing”が初披露されたのをはじめ、ミラ・バーンズ名義で歌うヴィッキー・アンダーソンの2曲も収録。キラー・ファンクの洪水。(林)