OLLIE NIGHTINGALE 『Sweet Surrender』 Pride/Pヴァイン(1973)
まだまだ知られざる財宝がゴロゴロしていそうなサザン・ソウルの深い沼から、ついに拾い上げられた特級の宝石。スタックスからリリースしていたオリー&ザ・ナイチンゲールズで知られる名シンガーの初ソロ・アルバムだ。ジワジワ盛り上がっていく冒頭の“Here I Am Again”から、メンフィス産らしい情感を湛えた名唱がズラリ。レア度とかリイシューの意義とかを語る以前に内容が凄すぎる!
MIRAGE 『Princes Of Love』 RCA/ヴィヴィド(1975)
乳首と太鼓腹を露出した濃密そうなジャケだけでお腹いっぱいになる人もいるだろうが……ヴァレンティノ、ロミオ、カサノヴァに身をやつした愛の王子たち、だそうで。ド頭のアップで耳を掴まれた後は、怒濤のスウィート・バラード攻め(責め?)で泣きながら降参!! なお、リード・シンガーのジョーイ・コールマンが在籍していたトゥルー・リフレクションの73年作『Where I'm Coming From』も2005年の目玉リイシューだった。
BETTY WRIGHT 『My First Time Around』 Alston/Water(1968)
マイアミ・ソウルのゴッドマザーで、近年はジョス・ストーンとの仕事でも知られる才女が、弱冠14歳の頃に作り上げたファースト・アルバムが今作。ティーン・ポップらしい軽快さも含有しつつ、子供っぽさでごまかさない〈味〉もすでに備えている。自作曲も披露するなど、後の路線の片鱗も見せている。本作に先駆けてリイシューされた73年作『Hard To Stop』も必聴。ベスト盤でOKな人じゃなかったのだ!
KARIN JONES 『Under The Influence Of Love』 Handshake/DIZZARE(1982)
2005年を通じてコンスタントにリイシューされていたハンドシェイク作品のなかでも、アーバンなNYサウンドの味わいと主役の正体不明ぶりによって人気だったのが今作。チャカ・カーンにも通じるノリで適度なディープさもまぶした歌が美しい。
NUMONICS 『Rollin'』 Hodisk/DIZZARE(1982)
独特の美学に溢れたジャケを見てGモノと勘違いしても、ある意味では正解だろう(?)。オークランド・ローカルのスウィート・ソウル・グループが残した唯一のアルバム。80年代だというのに、オールド・タイミーなサウンドにこだわった不器用さが愛しい。もちろん世界初CD化!