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第36回 ─ the telephones

連載
SPOTLIGHT!
公開
2008/02/07   14:00
更新
2008/02/07   19:18
ソース
『bounce』 295号(2008/1/25)
テキスト
文/駒井 憲嗣

〈JAPAN〉生まれのグルーヴが炸裂した奴らのロックはヤバイ!


  埼玉出身の4人組、the telephonesが昨年4月にミニ・アルバム『we are the handclaps E.P.』をリリースした時は、ジャケットのアートワークにあるギラギラとした〈ミラーボール感〉と共に、2007年のユース・カルチャーを世界的に席巻した〈ニュー・レイヴ〉とのリンクが語られた。ロックとダンス・ミュージックの接合、という部分では決してズレていないかもしれないけれど、そうしたいわゆる〈ムーヴメント同時進行型バンド〉の枠に留まらないポテンシャルを秘めている──そのことを、彼らはファースト・フル・アルバム『JAPAN』において、不敵なまでのこのタイトルもむべなるかなと思わせる完成度で証明してみせた。それはいまだ洋楽コンプレックスの抜けない日本の音楽メディアを嘲笑うかのように――。

 今作はエレクトロニック・ミュージックのビート感を巧みに用い、時にシューゲイザー的な深みのあるギター・サウンドでアッパーに攻め、“sleep, sleep, sleep(sadness of happy poor child)”ではセンティメンタルな一面も覗かせるなど、バンドの多様性をまざまざと見せつける内容だ。とはいえ、彼らは音楽的情報量の多さやDJミックス的な編集感覚よりも、図太いバンド・サウンドにおけるリリカルなメロディー+雑多なリズムの組み合わせからカオスを生み出すことを優先している。そのヴァリエーションのなかから、アルバム・タイトルに象徴される〈日本製のグルーヴ〉を懸命に探しているように見えるのだ。

 また、凄まじい熱量を持つグルーヴの求心力には、屈しがたいものがある。ヴォーカルの石毛輝を中心にしたパフォーマンスには、ダンス・フロアを、ライヴハウスを問答無用で揺らす肉体性が漲っている。そんな捨て鉢なまでのパワーが、はみ出さんばかりに溢れているのだ。