まずは、マーヴィン・ゲイの78年作をリマスター&デラックス化した2枚組『Here My Dear : Expanded Edition』(Motown/Hip-O Select)。未発表テイクなどをリオン・ウェアやサラーム・レミらがオーヴァーダブなしで再構築したDisc-2も良いけど、〈離婚伝説〉という邦題そのままに夫人への慰謝料として作られた作品だけに、愛憎入り交じる感情の揺れを体現した混沌サウンドの幻惑性を味わってほしいね。
不倫ソウル(?)ということでは、昨年他界したルーサー・イングラムのシングル集『I Don't Want To Be Right : The Ko Ko Singles Volume 2』(Ace/Kent)にて名曲“(If Loving You Is Wrong)I Don't Want To Be Right”も堪能しておきたい。
あるいは変態っぽいのが好きなら、ボビー・ナンが84年に発表したアーバンな佳作『Private Party』(Motown/Blue Bird)をどうぞ。
そして、ブラウニーな甘さが爽やかに吹き抜ける60年代チカーノ・ソウルのレア曲を集めた『'Hood Dreams... Rare Chicano Group Harmony』(BARRIO GOLD)で泣きながら溶けてしまえ!