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第41回 ─ ラナ&フリップ×マ・佐藤氏 来日記念鼎談!

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Go! Go! NOISE McCARTNEY RECORDS
公開
2008/10/09   13:00
更新
2008/10/09   18:24
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文/bounce.com編集部

くるり主宰レーベル〈NOISE McCARTNEY RECORDS〉の業務日誌連載。今回は、〈京都音楽博覧会〉にも出演し、デビューアルバム『The Dust Of A Week』をノイズからリリースしたラナ&フリップのお2人と、同レーベル社長マ・佐藤氏によるスペシャル鼎談をお届けします!

――みなさん、京都音博はいかがでしたか?

フリップ お客さんがすごく静かに聴いてくれた。それでいて、盛り上がるところではノッてくれて。自分たちの表現した音楽がちゃんと伝わってるのが実感できたし、逆に僕らもお客さんから得るものがいっぱいあった。何よりも、あれだけ多くのお客さんの前で演奏できたのが楽しかったね。

――日本で演奏したのは今回が初めてですか?

佐藤 フリップは、オーケストラの団員として何度も日本に来てるんですよ。

フリップ 谷村新司さんのバック・バンドとしてツアーを回ったこともあるよ、意外でしょ(笑)? でも、ラナ&フリップとしては今回のツアーが初めて。

佐藤 だから、僕たちもいままでライヴを観たことなかったんですよ。どういうものを見せてくれるのかも想像つかなかったんです。それまではCDだけ聴いていて、京都音博で初めて目の当たりにしたという。さっきフリップが「お客さんが静かだった」と言ってましたけど、京都音博のお客さんは、純粋に音楽を聴きに来てくれる方が主体なんですよね。すごく京都らしい空気のフェスになったかなあと。

ラナ 他のアーティストのライヴもたくさん見ることができたわ。リアル・グループ、アシャ、もちろん、くるり。

フリップ それから小田和正さん。とても若々しい声で素晴らしかった。

佐藤 小田さんは61歳(取材時)なんだよ!

フリップ 本当に? 信じられないほどに若いね(笑)。

――みなさんの最初の出会いについて教えてください。

ラナ 私とフリップとの出会いは……私の夫が元々フリップと一緒に音楽をやっていたの。で、リハーサルのときに「ちょっと歌ってみて」と急に言われて、ライヴ当日に歌ったら、フリップが私の歌をすごく気に入ってくれて。それでユニットを組むことになったのよ。

佐藤 その頃のラナ&フリップって、セロニアス・モンクのカヴァー・バンドだったんですよね。モンクの曲にヴォーカルのメロディーを付けたんですか?

ラナ いえ、ヴォーカルも一つ楽器として扱ってたの。元々の曲の旋律を「スターティッティ、ドゥビドゥーワー♪」って感じで歌っていたわ(笑)。

―― 一方で、フリップさんとくるりが最初に出会ったのは『ワルツを踊れ』のレコーディングのときになるんでしょうか。

佐藤 そうです。ストリングスのアレンジャーを探していたら、スタジオの人が「天才がいるよ」と。それがフリップだったんです。で、今年の1月にライヴDVDのミックスをするためにまたウィーンに行った時、フリップに「いま、こういうバンドをやってるんだよ」って聴かされたのが、ラナ&フリップのライヴ音源で。「これは……ええやないか!」と(笑)。それで、即「京都音博に出演してください」ってお願いしたんです。

――その衝撃は具体的に言うと、どういう辺りにあったんでしょうか?

佐藤 ジャンルで言うとジャズということになるんでしょうけど、そのなかの縛りがなかった。フリップは普段、楽団でバルトークとかショスタコーヴィチの曲を演奏しているんだから、やってることはめちゃめちゃ難しいと思うんですよ。でも、そんなことを意識せずに聴ける。ものすごく自由な音楽だと思ったんですよね。

――そこから、アルバム制作に至った経緯というのは?

佐藤 いやもう、京都音博に出演してもらうからには、CDも出しちゃおうよっていう(笑)。そうなるともう、フリップは天才ですから作業も早いんです。アルバムのレコーディングって、何日かかったんでしたっけ?

フリップ 3日間だね。

佐藤  普通のバンドは3日間じゃあ絶対できないですよ! 僕らは9か月かかった(笑)。

――すでに作られてる曲があってレコーディングに臨まれたんですか?

ラナ もともとはモンクのカヴァー・バンドだったんだけど、フリップがだんだんオリジナルの曲を持ってくるようになって、私も去年頃から曲を書き始めたの。このアルバムに入ってる曲は1年くらい前から演奏し始めていたかな。で、リハーサルでアレンジを詰めてから、3日間のレコーディングに臨んだの。

――じゃあ、いつでも作品が作れる準備が整っていたところで、タイミングよく佐藤さんから声がかかったという感じなんでしょうか。

ラナ ええそう。グッド・タイミング&パーフェクト(笑)!

――くるりの音楽に接したとき、最初にどう感じられましたか?

フリップ すごく馴染みのある音楽だと思った。くるりのバック・グラウンドにはジミ・ヘンドリックスやレッド・ツェッペリンなんかが感じられたし、僕も14歳くらいの頃にはそういう音楽をバンドでカヴァーしてたんだ。

佐藤 クラシックの楽団に入ってる方って、その道一本って印象を持ってしまいがちなんですけど、フリップや彼の友だちは、普通にロックも通過していたんですよね。ギタリストに挫折してヴィオラを始めて、ウィーン・フィルに入った人とか(笑)。フリップもドラムンベースのバンドに譜面を書いたりしてるし。だから本当にジャンルの壁がなくて、好きな音楽は好きな音楽っていうふうに接してくれる方です。

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