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第36回 ─ NO WAVE

第36回 ─ NO WAVE(3)

連載
Di(s)ctionary
公開
2009/04/23   16:00
更新
2009/04/23   17:40
ソース
『bounce』 308号(2009/3/25)
テキスト
文/若杉 実

II それでは実際に聴いてみよう! その2

SONIC YOUTH 『Bad Moon Rising』 DGC(1985)
どちらかというとオルタナの源流として捉えたほうが、今日のロックでは見えやすくなる彼ら。実験色を蓄えた初期の重要作として誉れ高いこの3作目にも、そうした独自の慧眼が冴え渡っている。リディア・ランチを起用した“Death Valley '69”は第二期NW讃歌だ。

SWANS 『Filth/Body To Body, Job To Job』 Young God 
さあ科学の実験を。ここでのCD12枚を水中に入れ、最後まで沈殿してるのは!? 呪術的かつ中毒性の高いインダストリアル音の艶やかな舞曲。83年のデビュー作と91年作+ライヴ音源をmまとめた編集盤だ。マイケル・ギラ参加の『Symphony No.3』も復習用にぜひ。

フリクション 『軋轢』 PASS(1983)
漢検1級の〈軋轢〉。英語でそれをフリクションと呼ぶ。この初作で、実際にプロデューサーの坂本龍一との間にその軋轢があったとかなかったとか。それが効を奏し(?)、緊迫、殺気、衝撃の連続がクールに打ち響く。2006年より中村達也とレックのふたりで完全復活。新作『DEEPERS』も聴くように。

ZAZOU 『ZAZOU』 ZAZOU/Solid(1981)
これぞ超幻の和製NWバンド。当時プレスされたレコード数は200枚。5回にも満たないギグで自然消滅。メンバー全員デザイナーで、〈アンチ・ミュージシャン〉を標榜し、〈ノン・ミュージック〉すらも否定。それでいながら、ニューレイヴを先取りしたような痙攣グルーヴの凄絶さときたら!!


VARIOUS ARTISTS 『New York Noise』 Soul Jazz 
第4弾まで発表されている本シリーズは本校推奨の教科書! ストリート音楽として看過できなかったガラージやヒップホップの影響下にある、『No New York』以降のNW発展型に傾倒した選曲も良い。99レーベル周辺などダンス・オリエンテッドなパンク・ジャズまでを網羅。

VARIOUS ARTISTS 『Nao Wave: Brazilian Post Punk 1982-1988』 Man 
ドイツをバイリ・ファンキ第2の故郷にしてしまったレーベル発のブラジル産NWの問題コンピ。選曲者は、収録バンドであるアキラSのアレックス・アントゥネスなど。ダブ世代との関係を鮮明にしたリミックス集〈Revisited〉も応用編として必聴。