ORITO『THEIMMORTAL SOUL』 ビクター
急逝したソウル・シンガーがメンフィスを訪ねて作り上げた『SOUL JOINT』(95年)は、ウィリーにとっても90年代を代表するプロデュース作となった。このベスト盤ではアル・グリーンやサム・クックの柔和なカヴァー、熱いバラード“I'm Yours”など5曲が楽しめる。*出嶌
AL GREEN 『I Can't Stop』 Blue Note(2003)
世俗音楽に戻ったアルが復活のパートナーに選んだのは、やはりウィリー・ミッチェルだった。本作と2005年の『Everything's OK』の2枚に結実するコラボは、70年代ハイ・サウンド黄金期の空気感を蘇らせると同時に、両者の音楽が時代に関係なく響くことも証明している。
*池谷
ROD STEWART 『Soulbook』 J(2009)
生涯現役であり続けたウィリーは、昨年のこのソウル・カヴァー集にもアレンジャーとして参加し、サッチモでお馴染みの“(What A)Wonderful World”をハイ・サウンド風に味付けしている。なお、ウィリーはロッドの名作『Atlantic Crossing』(75年)でエンジニアを務めてもいた。*池谷
BUDDY GUY 『Bring 'Em In』 Silvertone(2006)
キース・リチャーズやジョン・メイヤー、アンソニー・ハミルトンらウィリーとも縁のある後輩たちを招いた、シカゴ・ブルースのレジェンドによる豪華コラボ作。そこに唯一(?)の先輩として関わったウィリーは、2曲で滋味深いホーン・アレンジを担当。なお、バディの近作『Skin Deep』(2008年)でもウィリーは同様の手腕を発揮していた。*出嶌
SYL JOHNSON『Diamond In The Rough』 Hi(1974)
71~76年に在籍したハイ時代のアルバムはどれも良作だが、なかでも本作に収録の“Could I Be Fallin' In Love”はビタースウィートな逸品で、レイクォンらにサンプリングもされた。シカゴ男を粋なソウル・マナーでもてなす、ウィリー・ミッチェルの心意気が光る。*池谷
GEORGE JACKSON 『In Memphis 1972-77』 Kent/Ace
ハイの内外でサザン・ソウルを盛り立てた名ソングライターの音源集。儚げながら温かみのある実に良い曲ばかりだが、なかでも黄金期ハイ・サウンドを纏った“Aretha, Sing One For Me”は、アレサ・フランクリンへ捧げた歌詞も素晴らしい切ないミディアムだ。*池谷
AMERICAN GANGSTER 『Soundtrack』 Def Jam(2007)
70年代のNYを舞台にした本編に合わせて往時の名曲が並ぶハンク・ショックリー監修のサントラ。ダップトーン軍団を従えたアンソニー・ハミルトンの新曲2つは、いずれもウィリーのストリングス・アレンジで古き良き情感を倍加されている。特に“Do You Feel Me”が最高。*出嶌