DEXPISTOLSの牽引する最強クルーから、超新星コンビがついにアルバム・デビュー!!
DEXPISTOLSの率いるROC TRAXが、M.S.K.の『MASK MASK MASK』に続いてリリースするアーティスト・アルバムの第2弾は、TSUBAMEとMASAYASUから成るユニット=MYSSの『MYSS TAKE』となった。本格的な活動開始は2008年あたりとまだキャリアは浅いものの、その高いポテンシャルを察知した多くのアーティストやリスナーを〈80KidzやTHE LOWBROWSに続く逸材〉とざわめかせているコンビなのだ。DEXPISTOLSの送り出すコンピ〈Lesson〉シリーズで披露されたドライヴ感のあるエレクトロ“Oh Six”や“TYPE4”はその実力の片鱗を見せたトラックで、フロア映えするシンセとアップリフティングなビートはすでにエレクトロ・キッズを圧倒している。
そんな評判が多方面に波及した結果、彼らがリミキサーとしても引っ張りだこなのは衆知の事実だろう。その仕事歴には、DEXPISTOLSやTHE LOWBROWSはもちろん、The SAMOS、VOLA & THE ORIENTAL MACHINE、環ROY×NEWDEAL、AMWEなどヴァラエティー豊かな名前が並び、そのオファーはUKのサウス・セントラルやフレンチ・エレクトロ・バンドのウィー・アー・テロリスツといった海外勢からも舞い込んでいる。またCMにも使用されたdetroit7とのコラボ曲“Turn Up Fader”ではバンド・サウンドとの親和性も見せ、新しい一面をアピールすることに成功していた。昨年リリースした初の12インチ“NO 10 PUNCH”ではパンキッシュでダーティーなエレクトロ・サウンドを聴かせ、2人が日を追うごとに成長していることを実感した人も多いに違いない。
このように作品をリリースするたび、そしてクラブでギグを行うたびに反響も大きくなっている真っ最中、絶好のタイミングで完成したのが今回のファースト・アルバム『MYSS TAKE』ということになる。エレクトロが貪欲にさまざまなサウンドと交配を繰り返して変化を続けるなか、MYSSの2人も同様にディスコ、ハウス、パンク、ポップスなどの多彩なエレメンツをごくあたりまえのように咀嚼/吸収している。2人が敬愛しているダフト・パンクを彷彿とさせる哀愁のメロディー、フロアを煽動するレイヴィーなシンセ、陶酔へと誘うビートなどなど、それぞれの要素が聴く者の快楽のツボを突き、カタルシスをもたらしてくれるだろう。洗練されたジャケと共に、この2010年にしっかりと足跡を残す作品になりそうだ。
▼関連盤を紹介。
左から、2010年のコンピ『LESSON.06 "ROC TRAX JAM"』(ROC TRAX)、環ROY×NEWDEALの2009年作『the krash』(Third Culture)、detroit7の2010年作『FRESH』(EMI Music Japan)